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葉酸が多い食べ物ランキング一覧!1食分・100g含有量と効率的な摂り方

葉酸は、赤血球の形成や細胞の生産・再生を助ける、体にとって非常に重要なビタミンB群の一種です。特にDNAの合成に不可欠なため、体の発育や健康維持に欠かせません。

健康的な毎日のために葉酸を効率よく摂りたい方へ、最新データ(2023年)に基づき、葉酸を多く含む食べ物をランキング形式でご紹介します。

葉酸が多い食べ物ランキングTOP10

葉酸を効率的に摂るには「100gあたりの含有量」だけでなく、「1食で現実的に食べられる量(実用量)」で考えることが重要です。

ここでは「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づき、100gあたり含有量と、実用的な1食分目安の葉酸量を併記した一覧表を作成しました。

順位食品名100gあたり葉酸量1食の目安1食あたりの葉酸量メモ(生/加熱/調理損失)
1焼のり1900 μg全形1枚(約3g)約 57 μg乾物。手軽だが1食量は少ない
2鶏レバー(生)1300 μg焼き鳥1本分(約50g)約 650 μg※妊娠初期はビタミンA過剰に注意
3豚レバー(生)810 μg1食分(約50g)約 405 μg※妊娠初期はビタミンA過剰に注意
4枝豆(生)320 μgゆで・さや付き(約100g)
(可食部 約50g)
約 130 μg生320μg、ゆで260μg
5モロヘイヤ(生)250 μgおひたし1小鉢(約50g)約 125 μg茹でると減少。おひたし推奨
6ブロッコリー(生)220 μg1/4株(約50g)約 110 μg茹でるより蒸す・レンジで損失減
7ほうれん草(生)210 μgおひたし1小鉢(約70g)約 147 μgゆで110μg。シュウ酸注意
8アスパラガス(生)190 μg中3本(約60g)約 114 μg茹でると減少。先端に多い
9納豆(糸引き)130 μg1パック(約45g)約 59 μg手軽に摂取可能
10いちご(生)90 μg中5粒(約75g)約 68 μg果物ではトップクラス

出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より算出。(食品名は食品成分データベースの個票にリンクしています)μg(マイクログラム) = 0.001 mg


葉酸を多く含む食品(カテゴリ別)

ランキング外でも、日常的に摂取しやすい食品は多くあります。カテゴリ別に見ていきましょう。(食品名は食品成分データベースの個票にリンクしています)

野菜類

緑黄色野菜は葉酸の宝庫です。

豆類

豆類は、葉酸と同時に植物性タンパク質も摂れる優秀な食材です。

肉類・魚介類

レバー類が圧倒的に多いですが、注意点もあります。

  • 鶏レバー(生):1300 μg
  • 牛レバー(生):1000 μg
  • 豚レバー(生):810 μg
    • 【重要】 レバー類はビタミンAも極めて豊富です。妊娠を計画中の方、特に妊娠初期(~3か月)の方は、ビタミンAの過剰摂取(先天異常リスク)を避けるため、レバーの常習的な摂取は控えてください。
  • いくら:100 μg
  • たらこ(生):79 μg
  • (しろさけ・生):33 μg
  • うなぎ(かば焼き):13 μg

果物類

果物からも手軽に葉酸を摂取できます。

海藻類・穀類

「焼のり」は非常に優秀ですが、1食で食べられる量を意識しましょう。


コンビニ・外食でも!目的別・葉酸の摂り方

忙しい時でも葉酸を意識して摂るコツを紹介します。

コンビニで手軽に補給する

コンビニの商品は、葉酸を手軽に摂る選択肢の宝庫です。

  • 枝豆(冷凍または総菜パック)
  • ほうれん草のおひたし(総菜)
  • 味付けのりおにぎり(納豆巻き、いくら)
  • 納豆(パック)
  • カットフルーツ(いちご、キウイなど)
  • アボカド(サラダチキンのトッピングなど)

自炊で効率よく摂る組み合わせ

葉酸を含む食材同士を組み合わせることで、効率よく摂取できます。

  • そば × 焼のり:ざるそばに海苔をたっぷりかける。
  • 納豆 × アボカド:アボカド納豆丼にする。
  • ほうれん草 × 卵:炒め物やおひたしに。
  • ブロッコリー × 鮭:ホイル蒸しやシチューにする。

葉酸をムダにしない調理・保存のコツ

葉酸は「水溶性」かつ「熱に弱い」という性質を持っています。調理法次第で含有量が大きく減ってしまうため、以下の3点を押さえましょう。

1. 「茹でる」より「蒸す・レンジ・炒める」

葉酸は水に溶け出しやすいため、お湯で茹でると50%近くが失われることもあります。

  • 推奨調理法:電子レンジでの加熱、蒸し器(せいろ)、油を使った短時間での炒め物
  • 工夫:茹でる必要がある場合は、おひたしなど「ゆで汁ごと食べる」スープや煮物(例:味噌汁、鍋物)にすると、溶け出た葉酸も摂取できます。

2. ビタミンCとの食べ合わせで「安定化」

葉酸は酸化にも弱いです。ビタミンC(レモン、ブロッコリー、いちご等)を一緒に摂ることで、葉酸が酸化するのを防ぎ、その安定性を維持するのに役立つと考えられています。

(※「ビタミンCが吸収率を上げる」と単純化されがちですが、正確には「葉酸の代謝をサポートし、酸化から守る」という役割が大きいです。)

  • :ほうれん草のサラダにレモンドレッシングをかける、ヨーグルトにいちごやキウイを入れる

3. 光と熱を避け、早めに消費

葉酸は光や熱によっても分解されます。食材は冷暗所(冷蔵庫)で保管し、購入後はなるべく早く食べるようにしましょう。


【重要】妊娠中・妊活中の女性が知るべき葉酸の常識

葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害(NTD)のリスクを低減するために、特に妊娠を計画している時期から妊娠初期にかけて極めて重要です。

1. 食事とは別に「サプリ400μg」が推奨される

厚生労働省は、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性に対し、受胎の1か月以上前から妊娠3か月までの間、以下の摂取を推奨しています。

  1. 通常の食事からの葉酸(240μg/日)
  2. 上記に加え、サプリメントや強化食品から「葉酸(モノグルタミン酸型)を400μg/日

なぜサプリが推奨されるかというと、食品に含まれる葉酸(ポリグルタミン酸型)よりも、サプリの葉酸(モノグルタミン酸型)の方が生体利用率(吸収・利用される効率)が約1.7倍高いためです。

2. 鶏レバー・豚レバーの過剰摂取リスク

前述の通り、レバー類は葉酸が豊富ですが、同時にビタミンAも非常に多く含みます。妊娠初期にビタミンAを過剰摂取すると、胎児の形態異常(先天異常)のリスクが高まることが知られています。

妊娠を計画している時期や妊娠初期は、レバーの摂取頻度や量に注意が必要です。

3. 妊娠中期・後期の必要量

妊娠中期・後期は、サプリでの追加(400μg)は必須とされていませんが、食事からの推奨量は増加します(付加量として+240μg/日)。引き続き、葉酸を多く含む食品を意識的に食事に取り入れることが大切です。

  • 妊娠・妊活と葉酸に関する詳しい情報は、専用の記事([内部リンク候補:妊娠中の葉酸の正しい摂り方])で解説しています。

葉酸摂取の「勘違い」Q&A

Q1. 「食品の葉酸」と「サプリの葉酸」は同じもの?

A1. 厳密には異なります。

  • 食品の葉酸(食事性葉酸):ポリグルタミン酸型。吸収効率がやや低い。
  • サプリの葉酸:モノグルタミン酸型。吸収効率が高い。

この吸収率の違いを考慮した単位が「DFE(食事性葉酸当量)」です。1μg DFE = 食品中の葉酸 1μg = 強化食品/サプリ由来の葉酸(食事と一緒)0.6μg = 空腹時サプリの葉酸 0.5μgつまり、サプリの葉酸は食品の葉酸より約1.7倍(食事と一緒の場合)効率が良いと計算されます。

Q2. 葉酸を摂りすぎても大丈夫?

A2. 通常の食品から摂る分には、過剰摂取の心配はほぼありません。

ただし、サプリメントや強化食品由来の葉酸(モノグルタミン酸型)には「耐容上限量(UL)」が設定されています。通常の食品に含まれる葉酸(食事性葉酸)には、耐容上限量は設定されていません。過剰摂取は、ビタミンB12欠乏症の発見を遅らせるなどのリスクがあります。

  • 日本人の食事摂取基準(2025年版)では、サプリ等由来の葉酸の耐容上限量は、年齢別に設定されています(例:18~29歳および65歳以上は900μg/日30~64歳は1,000μg/日)。

Q3. 加熱すると、どれくらい葉酸は減るの?

A3. 調理法によりますが、茹でると大きく減少します。

葉酸は水溶性で熱に弱いため、茹でる調理では50%以上が失われることもあります。一方、電子レンジや蒸し調理では、その損失を(食材や時間などの条件によりますが)0%~30%程度に抑えられ、保持されるという報告もあります。生で食べられるもの(いちご、のり、納豆など)は、最も効率的です。

Q4. 食品だけで1日の推奨量(240μg)に届かない…

A4. まずはバランスの良い食事を心がけることが最優先です。

推奨量(成人240μg/日)は、様々な食品を組み合わせていれば十分に達成可能です。

  • 朝食:納豆(59μg
  • 昼食:ブロッコリーの小鉢(110μg)
  • 夕食:ほうれん草のおひたし(147μg)
  • 合計:316μg

完璧を目指すよりも、枝豆、のり、野菜の小鉢などを1品プラスすることを意識しましょう。もし妊娠を計画中であれば、前述の通りサプリメントの活用が推奨されます。

まとめ:毎日の食事で葉酸を効率良く摂取

葉酸は、健康維持に欠かせない重要な栄養素です。

  • 葉酸は「焼のり」「レバー類」「枝豆」「ブロッコリー」「ほうれん草」などに豊富。
  • 「100gあたり」と「1食あたり」の両方で考える。
  • 葉酸は「水溶性」で「熱に弱い」。調理は「蒸す・レンジ・炒める」が有利。
  • 妊娠計画中~妊娠初期は、食事に加えてサプリから400μgの摂取が推奨される。
  • 妊娠初期のレバーの食べ過ぎは、ビタミンA過剰のリスクがあるため注意する。

これらの食品や調理のコツを参考に、毎日の食事に葉酸を上手に取り入れ、健康的な体を維持しましょう。

参考文献

  1. 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年.(※本文中の食品名リンクは食品成分データベースの個票にリンクしています)
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 葉酸とサプリメント―神経管閉鎖障害の低減.
  3. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書.
  4. 食品安全委員会. ファクトシート「ビタミンA」(ビタミンAの過剰摂取と催奇形性について).
  5. Delchier, N., et al. (2012). Folate retention in cooked broccoli: A comparison of steaming and boiling. Journal of Food Science, 77(11), H1100-H1107. DOI: 10.1111/j.1750-3841.2012.02872.x
  6. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報「葉酸」.
末岡 啓吾

末岡 啓吾

パーソナルトレーニングジム「PriGym」代表トレーナー。
博士(理学)・NSCA認定トレーナー・パワーリフティング元日本記録保持者。
科学と実践の両軸で、一人ひとりの成長を支えます。