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ヨウ素とダイエットの関係:不足・摂りすぎの目安、甲状腺と代謝、食品の含有量リスト
食べる量は減らしてるのに体重が動かない。最近なんだか冷えやすいし、疲れも抜けない。
——そんなときはヨウ素(ヨード)を疑ってみてもいいかもしれません。
日本は海藻文化の国だから、実は“不足”だけじゃなく“摂りすぎ”も起こりがちです。
この記事では、ヨウ素とダイエットのリアルな関係、過不足のサイン、毎日のごはんでの付き合い方を、ムリなく分かるようにまとめました。
要点まとめ:ヨウ素とダイエットの関係
- ヨウ素は代謝のスイッチ:甲状腺ホルモン(T3/T4)の主構成成分で、基礎代謝・熱産生・エネルギー消費を調節([3])。
- 不足は代謝低下の元:ヨウ素不足→甲状腺ホルモン産生低下→基礎代謝が下がり「太りやすく痩せにくい」状態に([3], [5])。
- 日本人は“摂りすぎ”に要注意:昆布など海藻からの摂取で、不足より過剰の懸念が相対的に高い([1], [6], [7])。
- 過剰も代謝を乱す:過剰摂取は甲状腺機能低下症/亢進症のいずれも引き起こし得る(Wolff–Chaikoff効果/Jod–Basedow現象)([4], [5])。
- “ヨウ素=痩せ薬”ではない:必要量の適正維持が肝要。多く摂るほど痩せるわけではありません。
ヨウ素(ヨード)とは?代謝を支える重要ミネラル
ヨウ素は必須微量ミネラルで、甲状腺ホルモン(T4/T3)の主成分です。甲状腺ホルモンは全身の細胞に作用し、
- 基礎代謝(安静時エネルギー消費)
- 熱産生(体温維持)
- 成長・発達(胎児・乳幼児の脳神経発達)
を調節します([3])。
ヨウ素不足がダイエット停滞につながる理由
材料のヨウ素が乏しいと甲状腺ホルモンが作れず、甲状腺機能低下に傾きます。結果として([3], [5]):
- 基礎代謝の低下 → 同じ食事量でも太りやすい/停滞期が長引く
- 冷え・低体温 → 熱産生の低下
- 慢性疲労・だるさ → エネルギー産生低下
- むくみ → 水分代謝の低下
極端な制限食(海藻や魚介をほぼ除く等)では、ヨウ素不足が一因となる可能性があります([7])。
1日のヨウ素摂取量:推奨量と上限
成人(18歳以上):推奨量 140 µg/日、耐容上限量 3,000 µg/日([1])。
妊娠・授乳:
- 推奨量:妊婦 250 µg/日、授乳婦 280 µg/日(付加量 +110/+140 µg)([1])
- 耐容上限量:2,000 µg/日([1])
ポイント:耐容上限量(UL)は「習慣的にそれ以上を摂り続けると健康リスクが上がる目安」。単発的に超えても直ちに健康被害が出るとは限りませんが、日々の平均を基準内に保つことが重要です([1])。
ヨウ素を多く含む食品と含有量(目安)
日本人は主に海藻類からヨウ素を摂取します。含有量は品種・産地・抽出条件で桁違いに変動します([2], [8])。
| 食品名 | 1食の目安量 | ヨウ素含有量(µg)* |
|---|---|---|
| 昆布だし(煮出し) | お椀1杯(150 mL) | 約 7,950〜16,500 |
| まだら(生) | 1切れ(80 g) | 約 280 |
| めかぶ・わかめ(生) | 1パック(30 g) | 約 117 |
| 焼きのり | 1枚(3 g) | 約 63 |
| 牛乳 | コップ1杯(200 mL) | 約 32 |
| 鶏卵(全卵) | Mサイズ1個(50 g) | 約 15 |
*参考:国立健康・栄養研究所データベース([2])と食品の実測研究([8])に基づく目安。昆布だしや海藻のヨウ素は数 mg〜数十 mg/100 mLに達する報告もあり、製品や抽出法(水出し/煮出し)で大きく変動します([8])。
注意:昆布だし・乾物はヨウ素量が桁違い
煮出し昆布だしは高濃度になりやすく、お椀1杯でUL(3,000 µg/日)を超える場合があります([1], [2], [8])。日常的な多飲・大量摂取は避けましょう。
ヨウ素の“摂りすぎ”が危険な理由(副作用)
ヨウ素過剰は、
- 甲状腺機能低下症(Wolff–Chaikoff効果からの“逃避”不全)
- 甲状腺機能亢進症(Jod–Basedow現象)
を誘発し得ます。日本人成人で昆布を連日多量(例:15 g/日を7–10日)に摂るとTSH上昇(甲状腺ホルモン分泌の抑制)が生じた報告があります([4])。過剰は、妊婦・新生児・高齢者・自己免疫性甲状腺疾患など感受性が高い集団でとくに問題になります([5])。
過剰回避チェックリスト:
- ☐ 煮出し昆布だしの味噌汁・鍋つゆを毎日飲む
- ☐ 乾燥昆布・とろろ昆布を日常的に多量摂取
- ☐ 海藻サラダを毎日大盛り
- ☐ ケルプ(昆布)等のヨウ素サプリを使用
- ☐ サプリ+昆布だしを併用
→ 複数該当なら過剰の恐れ。サプリと昆布だしの併用は厳禁。
ダイエット中の賢いヨウ素の取り入れ方
- だしの工夫:煮出しは頻度を週1–2回、ふだんは水出しやかつお・いりこ等で代替([2])。
- 海藻の使い分け:高ヨウ素の昆布は量と頻度を抑え、わかめ(中程度)やのり(比較的少なめ)を中心に。
- 外食・コンビニ(不足しがちな人向け):
- 焼き魚定食(たらなど)、海藻小鉢、(昆布だしに偏らない)味噌汁([7])
- うどん・そば・サラダにわかめ/めかぶトッピング
- コンビニ:海藻サラダ(昆布大量は避ける)、わかめ味噌汁、めかぶ/もずくパック、のりのおにぎり
ラベル確認:鍋つゆ・顆粒だし・麺つゆに昆布エキスが多いとヨウ素が高くなり得ます([2])。
ヨウ素サプリはダイエットに必要?
結論:原則不要。
日本では食事からの摂取がすでに十分で、むしろ過剰傾向が問題となりやすい環境です([6], [7])。
サプリ追加はUL超過の近道。自己判断での使用は避け、医療者に相談を([1], [5])。
よくある質問(Q&A)
成人は140 µg/日を目安に、不足を防ぎつつ3,000 µg/日を習慣的に超えないよう調整([1])。
必ずではありませんが、煮出しは高濃度になりやすく、お椀1杯でもUL超過の可能性。水出しや頻度調整でリスク低減を([1], [2], [8])。
甲状腺ホルモンの低下で基礎代謝が下がるため。同じ食事・運動でも効果が鈍くなります([3], [5])。
推奨量は妊婦 250 µg/日・授乳婦 280 µg/日、ULは 2,000 µg/日。昆布だしの多飲やサプリは避け、わかめや魚介などからバランスよく([1], [5])。
コンビニの海藻サラダやめかぶ/もずく、定食の焼き魚と海藻小鉢、わかめ味噌汁などを活用([7])。
医療上の注意
- 既往に甲状腺疾患(橋本病・バセドウ病など)がある、妊娠・授乳中、乳幼児がいる家庭では、過不足の影響が出やすいため自己判断のサプリは避け、必要時は医療者に相談([1], [5])。
- ヨウ素制限・負荷が必要な検査/治療(例:放射性ヨウ素治療)前後は、必ず主治医の指示に従ってください。
参考文献
[1] 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書. 2024. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
[2] 医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所. 「健康食品」の安全性・有効性情報:ヨウ素. 2020-11-05更新. https://hfnet.nibn.go.jp/mineral/detail680/
[3] National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. Iodine – Health Professional Fact Sheet. https://ods.od.nih.gov/factsheets/Iodine-HealthProfessional/
[4] Miyai K, Tokushige T, Kondo M; Iodine Research Group. Suppression of thyroid function during ingestion of seaweed “Kombu” (Laminaria japonica) in normal Japanese adults. Endocrine Journal. 2008;55(6):1103–1108. https://doi.org/10.1507/endocrj.K08E-125
[5] Sohn SY, Inoue K, Rhee CM, Leung AM. Risks of Iodine Excess. Endocrine Reviews. 2024;45(6):858–879. https://doi.org/10.1210/endrev/bnae019
[6] Fuse Y, Ito Y, Shishiba Y, Irie M. Current iodine status in Japan: A cross-sectional nationwide survey of schoolchildren, 2014–2019. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2022;107(5):e2065–e2072. https://doi.org/10.1210/clinem/dgab919
[7] Katagiri R, Asakura K, Uechi K, Masayasu S, Sasaki S. Adequacy of iodine intake in three different Japanese adult dietary patterns: a nationwide study. Nutrition Journal. 2015;14:129. https://doi.org/10.1186/s12937-015-0116-y
[8] Kikuchi Y, Takerabayashi T, Sasaki S. Iodine concentration in current Japanese foods and beverages. Jpn J Hyg (日本衛生学雑誌). 2008;63(4):724–734. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/63/4/63_4_724/_article/-char/en

