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イソフラボンの効果と安全な摂り方ガイド|更年期の悩みにどう効く?「エクオール」との違いも解説
(この記事は2025年11月17日時点の最新情報に基づいています。)
「最近、更年期かも…」「女性ホルモンの減少が気になる」そんな悩みを抱えていませんか? 大豆製品に含まれる「イソフラボン」が注目されていますが、その効果は体内で「エクオール」を作れるかどうかで大きく変わることをご存知でしたか?
この記事では、イソフラボンが体でどう働くのか、安全な摂取量、そして「エクオール」との重要な関係について、科学的根拠(エビデンス=きちんとした研究で確かめられた事実のこと)に基づき、分かりやすく解説します。サプリメントに頼る前に知っておきたい、賢いイソフラボンとの付き合い方をご紹介します。
この記事でわかること
- イソフラボンと女性ホルモン(エストロゲン)の「違い」
- 効果の鍵を握る「エクオール」と、日本人のエクオール産生能力
- 更年期症状や骨、美容への「科学的に期待できる効果」と「限界」
- 安全な摂取量(上限)と、イソフラボン過剰摂取のリスク
- あなたの体質に合った「賢い摂り方」とサプリの選び方
イソフラボン摂取量の目安(ざっくり早見)
まずは、1日の摂取量に関する「答え」だけをまとめます。
- 目安(食品から):
厳密な目標量は定められていません。毎日きっちり守る必要はなく、無理のない範囲で食生活に取り入れることが推奨されます。(※公的な推奨量はありません。後述するモデルA(約42〜57mg)[25]などを参考に、ご自身の食生活に合わせて調整してください) - 総上限(食品+サプリ合計):
70〜75 mg/日(アグリコン換算)[15] - サプリ上乗せ:
最大 30 mg/日 まで [15, 17]
イソフラボンとは? 女性ホルモンとの違い
イソフラボンは、主に大豆の胚軸(はいじく)に多く含まれるポリフェノールの一種です。化学構造が女性ホルモン(エストロゲン)と似ているため、「植物性エストロゲン」とも呼ばれます。[1]
イソフラボン = 女性ホルモンではない
重要なのは、イソフラボンは「女性ホルモンそのものではない」ということです。
私たちの体にはエストロゲンを受け取る「受容体(=鍵穴)」があり、イソフラボン(=形の似た別の鍵)もそこに結合できます。しかし、その結合力や作用の仕方は、本物のエストロゲンとは異なります。[1, 2]
- 作用が穏やか: イソフラボンの結合力は、本物のエストロゲンと比較して非常に弱いとされています。[1]
- 組織選択性: イソフラボンは、医薬品(SERM:選択的エストロゲン受容体調節薬)のように、特定の組織にはエストロゲン様の作用を、別の組織にはその作用を抑えるか、ほとんど影響しない可能性が示唆されています。[1, 2]
- (ざっくり言うと、「骨にはやさしく、子宮や乳房にはできるだけ影響を与えにくい」イメージです)
この「穏やか」で「選択的」な性質が、イソフラボン更年期のサポートとして注目される理由です。
この章のポイント
- イソフラボンは「植物性エストロゲン」と呼ばれるが、女性ホルモンそのものではない。
- エストロゲン受容体(鍵穴)に結合するが、その作用は本物より非常に穏やかである。[1]
- 組織を選んで作用する(SERM様)可能性が示唆されている。[1, 2]
【最重要】効果の鍵は「エクオール」にあった
大豆イソフラボンを摂取しても、その効果の現れ方には大きな個人差があります。その最大の理由が、腸内細菌によって作られる「エクオール」という成分です。
エクオールとは?
私たちが大豆製品を食べると、イソフラボンの一種である「ダイゼイン」が腸に届きます。そこで特定の腸内細菌(エクオール産生菌)の働きによって代謝され、S-エクオールという成分に変換されます。[21]
このエクオールこそが、イソフラボンよりも強くエストロゲン受容体に結合し、様々な作用を発揮する「主役」だと考えられています。[21, 23]
エクオールを作れない人はどれくらいいる?(日本人の割合)
残念ながら、すべての人がエクオールを作れるわけではありません。大規模な疫学研究によると、日本人女性でエクオールを作れる「エクオール産生者」は約4割(41.5%)と報告されています。[21]
つまり、日本人女性の約6割は、イソフラボンを摂取しても体内でエクオールに変換できず、イソフラボンの恩恵を受けにくい可能性があるのです。
[コラム] 自分のエクオール産生能を調べる方法(検査キット活用)自分がエクオール産生者かどうかは、市販の検査キット(尿検査)で比較的簡単に調べることが可能です。
<検査キット活用の流れ(例)>
- 市販の検査キットをドラッグストアやオンライン通販で購入します。
- 自宅で説明書に従い尿を採取し、検査機関に郵送します。
- 約1〜2週間で結果(エクオール産生者/非産生者)が通知されます。
- 結果に基づき、「大豆食品中心で続けるか」「エクオールサプリを活用するか」などの方針を考えることができます。
研究では、尿中のエクオールとダイゼインの比率(log10比 ≥ −1.42)で産生能を判定します。[21, 22] 自分の体質を知ることは、賢い選択のための第一歩となります。
この章のポイント
- イソフラボンの効果の鍵は、腸内細菌が作る「エクオール」という代謝物が握っている。
- 日本人女性でエクオールを体内で作れる人は約4割と報告されている。[21]
- エクオール産生能は、市販の尿検査キットで調べることができる。
イソフラボンは1日何mgまで?安全な上限と“サプリ上乗せ30mg”の考え方
イソフラボンは「食品」由来の成分ですが、摂れば摂るほど良いわけではありません。特にサプリメントによるイソフラボン過剰摂取には注意が必要です。
食品安全委員会が推奨する「安全な上限量」
日本の内閣府 食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全性について評価を行い、摂取目安量の上限値を設定しています。[15]
- 1日の総摂取目安量の上限: 70〜75 mg/日(アグリコン換算)
これは、日常的な食生活で摂取する「食品」からのイソフラボンも含めた総量の上限です。[15, 17] - サプリメント等で“上乗せ”する量の上限: 30 mg/日(アグリコン換算)
特定保健用食品(トクホ)やサプリメントで追加摂取する場合は、この量を超えないように推奨しています。[15, 17]
(注)アグリコン換算とは?イソフラボンは食品中では糖が結合した形(配糖体)で存在しますが、吸収される際に糖が外れた形(アグリコン)になります。製品の表示がどちらの数値か確認することが重要です。
1日のイソフラボン摂取イメージ
「上限70-75mg」と言われても、イメージしにくいかもしれません。2つのモデル例で見てみましょう。
| モデル | メニュー例 | イソフラボン量の目安 | アドバイス |
|---|---|---|---|
| Aさん:無理なく続けるモデル | 朝:豆乳100mL 昼:冷奴(豆腐75g) 夜:納豆1/2パック | 合計 約42–57 mg | ・総上限(70-75mg)の範囲内です。 ・この食生活にサプリ(30mg)を加えると総上限を超える可能性があります(製品により要計算)。 |
| Bさん:上限を超える例 | 朝:豆乳 200mL 昼:豆腐 半丁 (150g) 夜:納豆 1パック +サプリ 30mg | 合計 約113mg〜 (食品 約83mg〜 + サプリ30mg) | ・食品だけですでに総上限(70-75mg)を超えている可能性があります。 ・自覚なしにサプリを併用すると、容易に過剰摂取となります。 |
食品含有量は[25]に基づき、豆乳(20-50mg/200mL)のばらつきを考慮した目安値。
イソフラボンを1日で摂りすぎたときはどうすればいい?
納豆や豆腐、豆乳などを組み合わせた結果、一時的に総上限(70-75mg)を超えてしまう日もあるかもしれません。
食品安全委員会によれば、通常の食品から摂取する範囲で一時的に上限を超えたとしても、直ちに健康被害に結びつくものではない、とされています。[16]
大切なのは、サプリメントなどで毎日継続して上限を超え続けないことです。もし「昨日は食べ過ぎたな」と感じたら、翌日は少し大豆製品を控えるなど、長い目でバランスを取ることを心がけましょう。
過剰摂取の副作用・リスクは?
イソフラボンの長期的な安全性については、まだ分かっていないこともあります。しかし、現時点での複数のメタ分析や長期の臨床試験では、推奨される範囲内(例えば、サプリとして数年間摂取)であれば、子宮内膜の肥厚や甲状腺機能への重大な有害事象は増加させないと報告されています。[6, 8, 18, 19]
[コラム] 乳がんリスクとの関連はどう考えればいい?過去にはイソフラボンが乳がんリスクを高めるのではないかと懸念された時期もありましたが、現在の科学的コンセンサスは変わってきています。
- 安全性: イソフラボンの摂取(サプリ含む)が乳房密度を上げるなどの不利益をもたらす可能性は低いことが、複数の臨床試験で示されています。[12, 13]
- 食品からの摂取: アジア人女性を対象とした大規模な観察研究では、食品(大豆製品)からのイソフラボン摂取が、乳がんの発症リスクや、乳がん既往者の再発・死亡リスクを低下させる可能性が示唆されています。[14]
ただし、サプリメントによる高用量摂取と乳がん再発リスクとの関連については、まだ結論が出ていない部分もあるため、乳がんの既往歴がある方や治療中の方は、必ず主治医に相談してください。
この章のポイント
- 1日のイソフラボン総摂取量の上限は 70〜75 mg/日(アグリコン換算)。[15]
- サプリなどで“上乗せ”する量の上限は 30 mg/日。[15, 17]
- 食品で一時的に上限を超えても直ちに問題にはなりにくいですが[16]、サプリ併用での継続的な過剰摂取には注意が必要です。
イソフラボンの効果:更年期の症状にどこまで効く?
イソフラボンに期待される効果と、現時点での科学的な限界を、イソフラボン更年期の代表的な症状であるホットフラッシュを中心に整理します。
目的別:期待できること・期待しすぎないこと
| 目的・項目 | 期待できること(エビデンスあり) | 現時点での限界・注意点 |
|---|---|---|
| 更年期症状 (ホットフラッシュ) | ○ 小〜中等度の改善報告あり [3] (2012年のメタ解析では頻度 約21%, 重症度 約26%の低下報告 [3]) | × エビデンスは一貫しない。 × 近年のメタ解析では、総合的な症状は改善しても、ホットフラッシュ自体は有意差なしとの報告もある。[4, 5] × 効果はエクオール産生能の有無に左右される。 |
| 骨の健康 (骨密度) | △ 効果は限定的・不確実 [6, 7, 8] (大規模研究で「明確な改善なし」〜「ごくわずかな改善」が中心) | × 骨粗しょう症予防の主軸として期待するのは困難。 (食事や運動、必要なら医薬品が基本) |
| 肌の健康 (しわ・弾力) | △ 軽度の改善 [9, 10] (小規模な研究で示唆) | × エビデンスの規模はまだ小さく「限定的」。[11] |
| バストアップ | × 科学的根拠なし [12, 13] (関連研究で「乳房密度に変化なし」と報告) | × 期待すべきではない。 |
期待できる効果①:更年期症状(ホットフラッシュ)の緩和
この分野のエビデンス(科学的根拠)は、一貫していません。
歴史的なメタ分析(2012年)では、イソフラボンの摂取により、ホットフラッシュの頻度が約21%、重症度が約26%低下したという報告があります。[3]
しかし、近年のより新しいメタ分析(2025年など)では、総合的な更年期症状への小さな効果は示唆されたものの、ホットフラッシュ(血管運動症状)に関しては、プラセボ(偽薬)との間に統計的な有意差は認められなかったという報告も出ています。[4, 5]
このため、ホットフラッシュへの効果を過度に期待せず、「総合的な不調をサポートするかもしれない」程度に留めておくのが賢明です。
期待できる効果②:骨の健康維持
閉経後の骨密度(BMD)低下を抑制する効果が期待されましたが、現時点でのエビデンスは一貫していません。 3年間にわたる大規模な臨床試験(RCT)や近年のメタ分析では、「明確な改善は認められない」または「統計的にごくわずかな改善」といった報告が中心です。[6, 7, 8]
誤解されやすい効果:美容(美肌・バストアップ)は?
- 肌の健康: 小規模な臨床試験(RCT)において、イソフラボン[9]やS-エクオール[10]の摂取で、目尻のしわや肌の弾力が軽度に改善したという報告はあります。しかし、確証度は「限定的」です。[11]
- バストアップ: イソフラボンの摂取がバストアップにつながるという科学的根拠(臨床エビデンス)は、現在のところ見当たりません。[12, 13]
この章のポイント
- 更年期のホットフラッシュへの効果は一貫しておらず、近年のメタ解析では「有意差なし」との報告もある。[3, 4, 5]
- 骨密度(BMD)への効果は一貫せず、現時点では限定的である。[6-8]
- 美肌効果は小規模な研究で示唆されているが限定的[9-11]。バストアップ効果を支持する科学的根拠はない。[12, 13]
イソフラボンの賢い摂り方(食べ物・サプリ)
イソフラボンの摂取は、まず安全な「食品」からが基本です。その上で、ご自身の体質(エクオール産生能)に合わせてサプリメントを賢く活用しましょう。
ステップ1:まず「食品」から(イソフラボン 食べ物)
イソフラボン食べ物の代表はやはり大豆製品です。ただし、製品や製法によって含有量は大きく変動します。[25]
| 食品(目安) | 含有量(アグリコン換算) |
|---|---|
| 納豆(1パック・約45g) | 約 33 mg |
| 豆乳(コップ1杯・200mL) | 約 20〜50 mg ※製品差大 |
| 豆腐(半丁・約150g) | 約 30 mg |
| 味噌(大さじ1杯・約18g) | 約 7 mg |
| きな粉(大さじ1杯・約7g) | 約 19 mg |
出典: 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」[25]に基づき算出(目安)。豆乳は製品によりばらつきが大きいためレンジで記載。
サプリを検討する前の自己チェックリスト
「サプリが必要かも?」と思ったら、まず以下の3点をご自身でチェックしてみてください。
| チェック項目 | はい / いいえ | メモ |
|---|---|---|
| 1. 週に2回以上、大豆製品を食べている | □ はい / □ いいえ | →「はい」なら、すでに食品から十分かも。 |
| 2. エクオール検査をしたことがある | □ はい / □ いいえ | →「はい」なら、結果でサプリを選ぶ(ステップ2へ) |
| 3. 治療中の病気や服用中の薬がある | □ はい / □ いいえ | →「はい」なら、必ず主治医に相談(FAQ参照) |
ステップ2:体質別の賢い選択
エクオール産生能(検査結果)に応じて、以下のように方針を考えるのが合理的です。
| あなたのタイプ | 推奨される方針 |
|---|---|
| A: エクオール産生者(日本人女性の約4割 [21]) | 食品中心でOK。 ・大豆食品(イソフラボン)を積極的に摂る。 ・サプリは基本不要。もし症状が強ければイソフラボンサプリを“上乗せ30mg”以内で検討。[15] |
| B: エクオール非産生者(いわゆる「エクオールを作れない人」、日本人の約6割 [21]) | 「S-エクオール」サプリを検討。 ・大豆食品(イソフラボン)を摂ってもエクオールに変換されない。 ・サプリを試すならイソフラボンではなく「S-エクオール」そのもの(10mg/日程度)を3ヶ月ほど試す。[10] |
| C: 検査未実施 or 不安がある | まずは食品から。 ・まずは大豆食品を意識して摂る。 ・サプリを試す場合は、安全側で「S-エクオール」(10mg/日)を短期間試すか、医師に相談する。 |
ステップ3:サプリメントを選ぶ際の注意点
もしサプリメント(イソフラボン サプリ または エクオールサプリ)を選ぶ場合は、以下の点を確認しましょう。
- 表示単位の確認:
- 「イソフラボンアグリコン換算」で何mgか?(上限30mg/日と比較するため)[15]
- 「大豆イソフラボン配糖体」で表示されている場合は、アグリコン換算値(約0.625倍)を確認してください。
- 成分の確認:
- あなたは「イソフラボン」が必要ですか? それとも「S-エクオール」が必要ですか?(上記ステップ2参照)
- 安全性の確認:
- GMP認定工場(医薬品レベルの品質管理基準)で製造されているか。
- 不要な添加物が含まれていないか。
この章のポイント
- イソフラボンは、まず納豆・豆腐・豆乳などの食品から摂るのが基本。[25]
- エクオール産生者は「イソフラボン(食品)」、非産生者(エクオールを作れない人)は「S-エクオール(サプリ)」が効率的。[10, 21]
- サプリを利用する場合は、アグリコン換算での含有量と「上乗せ30mg/日」の上限[15]を確認する。
イソフラボンに関するFAQ(よくある質問)
「食品+サプリの合計で70〜75mg/日(アグリコン換算)」、サプリなどによる“上乗せ”は「最大30mg/日」が安全な上限の目安です。[15, 17]食品から一時的にこの量を超えても直ちに健康被害には結びつきにくいですが[16]、サプリメントなどで毎日継続して上限を超え続けないように注意しましょう。
ご自身の「エクオール産生能」によります。
- エクオールを作れる方(産生者): 安価な「大豆イソフラボン」サプリでも体内でエクオールに変換できます。
- エクオールを作れない方(非産生者): 「大豆イソフラボン」を摂っても効果が出にくいため、「S-エクオール」が直接配合されたサプリを選ぶ必要があります。
どちらか分からない場合は、検査キットで調べるか、初めから「S-エクオール」サプリを選ぶのが確実です。
はい、意味はあります。
- イソフラボン自体の働き: エクオールにならなくても、イソフラボン(ダイゼインやゲニステイン)自体にも穏やかな作用が期待されています。[1, 2]
- 大豆食品としての栄養価: 豆腐や納豆は、イソフラボンだけでなく、良質なタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含む優れた食品です。
したがって、体質に関わらず、大豆食品をバランス良く食事に取り入れることは健康維持に非常に有益です。
まずは「1〜3ヶ月」を目安に続けることをお勧めします。
- イソフラボンやエクオールの効果は、医薬品のようにすぐに現れるものではありません。
- 更年期症状や肌の変化に関する臨床試験の多くは、「12週間(約3ヶ月)」[9, 10]の単位で行われています。
- まずは3ヶ月程度を目安に体調の変化を観察し、もし不調を感じるようであれば中止し、医師にご相談ください。
はい。「上乗せ」としてカウントする意識を持つのが安全です。
- 食品安全委員会が設定する「上乗せ30mg/日」[15]は、特定保健用食品(トクホ)やサプリメントを対象としています。
- 通常の豆乳飲料などと異なり、「イソフラボン含有」を謳う栄養機能食品や美容ドリンクなどで高濃度に添加・濃縮されているものは、サプリメントと同様に「上乗せ」分として、食品からの摂取量と合わせて総量(70-75mg/日)を超えないよう注意するのが賢明です。
問題ないと考えられます。
- 2021年に発表された最新のメタ分析において、大豆イソフラボンや大豆食品の摂取は、男性の生殖ホルモン(総テストステロン、遊離テストステロンなど)に影響を与えないと結論付けられています。[20]
食品として常識的な範囲であれば問題ありませんが、サプリメントは避けるべきです。
- 日本の「食事摂取基準(2025年版)」[24]では、イソフラボンは栄養素としての基準値が設定されておらず、小児に対する公的な安全上限量も提示されていません。
- 食品安全委員会も、サプリメントによる“上乗せ”摂取は、成人を対象としており、小児への適用はしていません。[15]
- したがって、通常の食事(豆腐や豆乳など)から摂る分には問題視されていませんが、高濃度に濃縮されたサプリメントなどを子どもに与えるのは、安全性が確認されていないため避けるべきです。
決定的なデータはなく、継続しやすいタイミングで問題ありません。
- イソフラボンやエクオールの血中濃度は摂取後数時間でピークに達し、約1日〜2日で排出されるため、毎日継続して摂取することが重要です。
- 食品であれば、1日3食に分けて摂るのが自然です。
- サプリメントの場合は、製品に推奨のタイミングが記載されていればそれに従い、なければご自身が飲み忘れないタイミング(例:夕食後)で結構です。
食品からの摂取は問題ありませんが、サプリメントによる高用量摂取は推奨されません。必ず主治医にご相談ください。
- 妊娠中・授乳中の安全性については十分なデータがありません。
- 食品安全委員会も、サプリメントの上限値は「妊娠中・授乳中ではない成人」を対象としています。[15]
- 妊活中や妊娠の可能性がある場合、自己判断でのサプリメント摂取は避け、かかりつけの医師に相談してください。
はい、避けるべきです。
- イソフラボンサプリやエクオールサプリの多くは大豆を原料としています。
- 大豆アレルギー(タンパク質が原因)の方が摂取するとアレルギー反応を引き起こす可能性があります。重篤な大豆アレルギーの方は、イソフラボン・エクオールサプリの摂取は避けてください。
自己判断はせず、必ず主治医(処方医)にご相談ください。
- ピル(経口避妊薬)もイソフラボンも、女性ホルモン(エストロゲン)のシステムに関連するものです。
- 理論上、相互に影響しあう可能性は否定できませんが、その相互作用に関する質の高い臨床研究は限定的です。
- 特にピルは効果と安全性のバランスが非常に重要な薬剤ですので、イソフラボンサプリメントの利用を検討する場合は、必ず処方している医師に確認してください。
原則として自己判断での併用は避け、必ず主治医にご相談ください。
- ホルモン補充療法(HRT)は、医師の管理下で行われる医療行為です。
- イソフラボンやエクオールサプリが、HRTの薬剤とどのように相互作用するかは、まだ十分に解明されていません。
- 治療効果や安全性に影響を与える可能性も否定できないため、サプリメントを利用したい場合は、必ず治療を受けている主治医に確認してください。
まとめ:明日からできる「賢いイソフラボン」3ステップ
イソフラボンは、更年期を迎える女性の健康をサポートする可能性を秘めた成分です。しかし、万能薬ではなく、その効果は医薬品に比べれば穏やかです。
まずは、以下の3ステップで、ご自身の体と向き合ってみましょう。
ステップ1:【知る】自分の体質を知る(推奨)
自分が「エクオール産生者」か「非産生者」かを知ることは、最も重要なスタート地点です。まずは市販の検査キット(尿検査)を試してみることを検討しましょう。[21]
ステップ2:【チェック】現在の食事を見直す
サプリに頼る前に、まずは納豆、豆腐、豆乳、味噌などの大豆食品を、1日の食事でどれくらい摂っているかチェックしましょう。それだけで上限(70-75mg/日)近く摂っている可能性もあります。[15, 25]
ステップ3:【試す】体質に合わせて調整する
- エクオール産生者(または検査未実施)の場合: まずは食品(イソフラボン)をしっかり摂る。
- エクオール非産生者の場合: 「S-エクオール」サプリ(10mg/日程度)を3ヶ月など期間を決めて試してみる。[10]
- サプリを併用する場合: 必ず「食品+サプリ」の総量が過剰にならないよう注意し、特にイソフラボンサプリは“上乗せ30mg/日”[15]の上限を守りましょう。
自分の体質を知り、安全な範囲で食品から取り入れること。それが、健やかな生活をサポートする一つの賢い選択肢となります。
【免責事項】
この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方、その他健康に不安のある方、特にホルモン関連の治療を受けている方(乳がん、子M内膜症、ピル服用中、ホルモン補充療法(HRT)中など)がイソフラボンやエクオールのサプリメント摂取を検討する場合は、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
【参考文献リスト】
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[15] 食品安全委員会. 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A. 内閣府 食品安全委員会; 2006. 参照2025年11月17日. URL: https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html
[16] 食品安全委員会. 大豆イソフラボン. 食品安全委員会メールマガジン総集編 第9号. 内閣府 食品安全委員会; 2014. 参照2025年11月17日. URL: https://www.fsc.go.jp/e-mailmagazine/sousyuhen.data/09.pdf
[17] 厚生労働省. 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A. 厚生労働省; 2006. 参照2025年11月17日. URL: https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/h0202-1.html
[18] Liu J, Yuan F, Gao J, Shan B, Ren Y, Wang H, et al. Oral isoflavone supplementation on endometrial thickness: A meta-analysis of randomized placebo-controlled trials. Oncotarget. 2016;7(14):17369–17379. https://doi.org/10.18632/oncotarget.7959
[19] Quaas AM, Kono N, Mack WJ, et al. Effect of isoflavone soy protein supplementation on endometrial thickness, hyperplasia, and endometrial cancer risk in postmenopausal women: A randomized controlled trial. Menopause. 2013;20(8):840–844. https://doi.org/10.1097/GME.0b013e3182804353
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[21] Ideno Y, Hayashi K, Nakajima-Shimada J, et al. Optimal cut-off value for equol-producing status in women: The Japan Nurses’ Health Study urinary isoflavone concentration survey. PLOS ONE. 2018;13(7):e0201318. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0201318
[22] Yoshikata R, Myint KZY, Taguchi J. Comparison of blood and urine concentrations of equol by LC–MS/MS method and factors associated with equol production in 466 Japanese men and women. PLOS ONE. 2024;19(3):e0288946. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0288946
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[24] 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準(2025年版). 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 厚生労働省; 2024. 参照2025年11月17日. URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
[25] 文部科学省. 日本食品標準成分表データベース(八訂 増補2023年). 文部科学省 食品成分データベース; 参照2025年11月17日. URL: https://fooddb.mext.go.jp/

