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【決定版】ケトジェニックダイエット食材リスト|「食べてOK/NG」を一覧で即チェック!コンビニ・外食・調味料まで完全ガイド
この記事でわかること
- スーパーで迷わない「OK」「注意」「NG」食材の具体的な一覧表
- 「1食量(大さじ1杯など)」でわかる、見落としがちな隠れ糖質
- コンビニや外食チェーンでの賢い「食べ物」の選び方
- 安全に実践するために知っておくべき「重要な注意点」
- 実践者が抱きやすい「よくある質問」への科学的な回答
この記事は、ケトジェニックダイエットを始めるときに一番迷う「食材選び」に特化した、実践的なガイドです。
難しい理論は最小限にし、あなたが今日からスーパーやコンビニで迷わないための「実践的な食材リスト」を提供することに焦点を当てています。(この記事は2025年11月時点の最新情報に基づいています)
カテゴリ別に「OK」「注意」「NG」を分かりやすく一覧化し、特に初心者が陥りがちな「調味料の隠れ糖質」や、コンビニ・外食での具体的な選び方まで解説します。この記事をブックマークして、あなたのケトジェニックダイエット生活の「辞書」としてご活用ください。
※この記事は情報提供を目的としています。持病のある方、服薬中の方、妊娠中の方、その他健康に不安のある方は、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
この記事の「判定」と「用語」について
この記事の食材判定は、実用性を考慮し「1食あたりの糖質量」を目安にしています。
- 🟢 OK = 目安5g未満/食(日常的に使いやすい)
- 🟡 注意 = 目安5g〜10g/食(量を測る・頻度を控える)
- 🔴 NG = 目安10g以上/食(原則として回避)
(これだけ覚える)判定は「1食量」が最優先です。 100gあたりの値は、製品を比較・購入する際の[参考]としてご覧ください。
【用語の扱い】判定の基準は、製品ラベルで確認できる「糖質(=炭水化物−食物繊維)」です。文部科学省の食品成分データベースを参照する場合は、この値に近い「炭水化物」の値を[参考]、または消化吸収される糖質の目安である「利用可能炭水化物(単糖当量)」を[単糖]として、補足的に記載します。
まずここだけ!ケトジェニック「食材選び」3つの大原則
このリストを見る前に、ケトジェニックダイエットの食材選びにおける3つの基本的な考え方を確認しましょう。
- 原則1: 「糖質」を徹底的に避ける
ケトジェニックダイエットの核心は、体内の主要なエネルギー源を糖質から脂質(ケトン体)に切り替えることです。そのため、糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)の摂取を厳しく制限することが最優先されます。 - 原則2: 「良質な脂質(F)」をしっかり摂る
エネルギー源を脂質に頼るため、食事全体のカロリーの多くを脂質から摂取する必要があります。ただし、どんな脂質でも良いわけではなく、その「質」が重要です(詳しくは後述します)。 - 原則3: 「タンパク質(P)」も適度に摂る
タンパク質は筋肉や体の組織を維持するために不可欠です。糖新生(体内で糖が作られること)は主に身体の需要に応じて起こるため、タンパク質摂取が即ケトーシスを破綻させるとは限りません。極端な過不足は避け、目安として体重1kgあたり約1.2〜1.6g/日(活動量や減量目的に応じて調整)を参考に、適量を摂ることが推奨されます [35, 36]。
【迷ったらここ!】ケトジェニック「OK/注意/NG」食材一覧
迷った時は、まずこの表を確認してください。(※判定は「1食量換算」表にある「1食あたりの糖質量」を優先してください)
| カテゴリ | 🟢 OK例 | 🟡 注意(少量/製品差あり) | 🔴 NG例 |
|---|---|---|---|
| 肉・卵 | 牛・豚・鶏・ラム、卵 | ソーセージ/ベーコン/ハム(表示確認) | 甘いタレの味付け肉 |
| 魚介 | 青魚/白身/赤身、貝、イカ・タコ・エビ | ちくわ・かまぼこ・カニカマ(1本程度) | みりん干し・佃煮・甘い缶詰 |
| 野菜 | 葉物、ブロッコリー、アボカド、きのこ、海藻 | 玉ねぎ/トマト/にんじん/大根 | いも類、かぼちゃ、とうもろこし |
| 乳・大豆 | バター、各種チーズ、生クリーム、豆腐、納豆 | 無糖ヨーグルト/牛乳/無調整豆乳 | 加糖ヨーグルト、調整豆乳、練乳 |
| 油脂・ナッツ | MCT/オリーブ/アボカド油、マヨネーズ | ナッツ類(量管理) | ノンオイル系ドレッシング、マーガリン |
| 調味料 | 塩・こしょう・酢・醤油 | ポン酢、料理酒(※小さじ/大さじ使用)、ケチャップ、焼肉のたれ(※大さじ1杯程度まで)、本みりん(※大さじ1杯まで)、白しょうゆ(※小さじ1〜大さじ1を目安) | ソース類(ウスター/中濃/濃厚) |
| 飲み物 | 水/無糖茶/ブラックコーヒー、蒸留酒 | 辛口ワイン(少量)、日本酒(1合まで) | 甘い飲料、ジュース、ビール、甘口ワイン |
| おやつ | チーズ、ゆで卵、オリーブ | 素焼きナッツ(少量) | 菓子/菓子パン/ドライフルーツ |
(これだけ覚える)判定は「1食量」が最優先。100g値は製品比較の[参考]として使いましょう。
量でわかる!「1食量換算」ケト判定表(調味料・食品)
100gあたりでは「NG」でも、1食量を守れば「注意」で使えるものがあります。この表を優先して判断してください。
| 食品/調味料 | 1食量目安 | 糖質の目安 | 判定 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| ケチャップ | 大さじ1(15g) | 約4.1g | 🟡 注意 | 100g換算(炭水化物 27.6g [参考])[6]。大さじ2杯(約8.2g)で注意帯の上限 |
| 本みりん | 大さじ1(15ml) | 約6.5g | 🟡 注意 | 料理全体で計算を [9] |
| ポン酢 | 大さじ1(15ml) | 約1.1g | 🟢 OK(少量) | [7] |
| マヨネーズ | 大さじ1(12g) | 約0.3g | 🟢 OK | 100g換算(単糖当量 2.1g [単糖])[13]。製品差あり |
| ちくわ(焼き) | 1本(30g) | 約3.0g | 🟡 注意(少量) | 100g換算(単糖当量 10.0g [単糖])[15] |
| アーモンド | ひと握り(25g) | 約2.5g | 🟡 注意(少量) | カロリー過多に注意 |
量でわかる!1杯/1個の糖質目安(外食・飲料編)
外食や晩酌で迷いやすい「1杯あたり」の目安です。
| 品目 | 1食量目安 | 糖質の目安 | 判定 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 辛口ワイン(赤) | 1杯(120ml) | 約1.8g | 🟡 注意 | [17] 1杯程度まで。連日回避 |
| ビール(淡色) | 缶350ml | 約10.9g | 🔴 NG | [40] 醸造酒で糖質高 |
| ハイボール | 1杯(150ml) | 0g前後 | 🟢 OK | 無糖割り限定 |
| 日本酒(普通酒) | 1合(180ml) | 約8.8g | 🟡 注意 | [37] 1合まで。推奨は回避 |
| 焼肉のタレ(濃厚) | 大さじ1(15ml) | 約4.3g | 🟡 注意 | [8] [単糖]基準。炭水化物[参考]基準では約4.8g |
【カテゴリ別】ケトジェニック「OK食材」「NG食材」完全リスト(100gあたり目安)
(※判定は「1食量換算」表にある「1食あたりの糖質量」を優先してください)
① 肉・卵
- 🟢 OK:
- 牛肉(バラ、サーロイン、ひき肉など)
- 豚肉(バラ、ロース、ひき肉など)
- 鶏肉(もも、むね、皮、ささみなど)
- ラム肉、馬肉、ジビエ
- 卵(鶏卵、うずらの卵など)
- 🟡 注意(加工肉):
- ソーセージ、ベーコン、ハム:製品によって「つなぎ」や味付けにでんぷんや砂糖が使われている場合があります。栄養成分表示の糖質量を確認してください。(詳しくはFAQ参照)
- 🔴 NG:
- 砂糖やみりんを使った味付け肉(例:市販のチャーシュー、照り焼きチキン、すき焼き用の味付け肉)
② 魚介類
- 🟢 OK:
- 青魚(サバ、イワシ、サーモン、ブリ、サンマなど脂の多い魚)
- 白身魚(タラ、カレイなど)
- 赤身魚(マグロ、カツオなど)
- 貝類(アサリ、シジミ、ホタテ)
- その他(イカ、タコ、エビ、カニ)
- 🟡 注意:
- ちくわ、かまぼこ、カニカマ:100gあたりでは糖質が高めです(例:焼きちくわ 100gあたり炭水化物 13.3g [参考])[14, 15]。1本程度(約3g)なら「🟡注意」の範囲内です。
- 🔴 NG:
- みりん干し、佃煮、缶詰(蒲焼、甘露煮など甘い味付けのもの)
③ 野菜・きのこ・海藻類
- 🟢 OK(糖質が低く、食物繊維が摂れる):
- 葉物野菜(ほうれん草 [30]、小松菜、レタス、白菜、キャベツ、水菜)
- その他(ブロッコリー [31]、アスパラガス、きゅうり、ピーマン、もやし)
- アボカド(低糖質・高脂質で推奨)[16]
- きのこ類(しいたけ、えのき、しめじ、舞茸)
- 海藻類(わかめ、のり、昆布、もずく)
- 🟡 注意(比較的糖質があり、少量ならOK):
- 玉ねぎ、パプリカ、トマト、にんじん、大根
- 🔴 NG(糖質が多い):
- 根菜類(じゃがいも [32]、さつまいも、かぼちゃ [33]、レンコン [34]、ごぼう、里芋)
- とうもろこし、豆類(枝豆を除く、特に小豆やインゲン豆)
④ 乳製品・大豆製品
- 🟢 OK:
- バター(グラスフェッド推奨)
- チーズ(カマンベール [25]、クリームチーズ [26]、モッツァレラ [27]、プロセスチーズなど)
- 生クリーム(動物性、無糖)
- 豆腐(木綿、絹)[29]
- 納豆(タレに注意)、おから
- (※豆腐や納豆などの大豆製品は比較的低糖質ですが、適量を心がけましょう)
- 🟡 注意:
- 無糖ヨーグルト、牛乳:乳糖という糖質が含まれます。
- 無調整豆乳:少量ならOKですが、飲み過ぎに注意 [28]。
- 🔴 NG:
- 加糖ヨーグルト、飲むヨーグルト
- 調整豆乳(砂糖や甘味料が添加されているもの)
- コンデンスミルク(練乳)
⑤ 油脂類・ナッツ
- 🟢 OK:
- MCTオイル、オリーブオイル、アボカドオイル、ごま油、亜麻仁油、えごま油
- マヨネーズ(製品によりますが、糖質が低いものが多いです。例:100gあたり単糖当量 2.1g [単糖])[13]
- 🟡 注意(少量ならOK):
- クルミ、アーモンド、マカダミアナッツ(糖質は低いですが高カロリー。食べ過ぎに注意)
- 🔴 NG:
- 市販のドレッシング(特にノンオイル系は糖質が高い傾向。例:和風ノンオイル 100gあたり炭水化物 16.1g [参考])[12]
- マーガリン、ショートニング(トランス脂肪酸を多く含むもの)
【落とし穴】見落としがちな「隠れ糖質」に注意!
食材そのものに気をつけていても、調味料や飲み物で無意識に糖質を摂ってしまうケースが非常に多いです。(※判定は100gあたりの目安です。1食あたりの判定は「1食量換算」表を優先してください)
① 調味料
- 🟢 OK(適量):
- 塩、こしょう、酢
- 醤油(濃口・薄口)
- マヨネーズ(低糖質のもの)[13]
- 🟡 注意(少量なら可だが、100gあたりの糖質は高め):
- ポン酢しょうゆ(100gあたり炭水化物 7.4g [参考])[7]
- 料理酒(100gあたり炭水化物 4.7g [参考] ※加塩タイプ例)[10]
- ケチャップ(100gあたり炭水化物 27.6g [参考])[6](※大さじ1杯(約4.1g)なら「🟡注意」の範囲内)
- 焼肉のたれ(濃厚タイプ 100gあたり炭水化物 32.3g [参考])[8](※大さじ1杯([単糖]約4.3g / [参考]約4.8g)なら「🟡注意」の範囲内)
- 本みりん(100gあたり炭水化物 43.2g [参考])[9](※大さじ1杯(約6.5g)で「🟡注意」の上限近いため、使用は慎重に)
- 白しょうゆ(100gあたり炭水化物 19.2g [参考] ※単糖当量は約1.8gと指標による差が大きい品目)[11]
- 🔴 NG(100gあたりでは糖質が非常に多い):
- ソース類(ウスター/中濃/濃厚)、カレールー、市販のドレッシング(特にノンオイル [12])
【実務的ヒント】「糖質ゼロ」「0g」と表示されていても、食品表示基準の「丸め規定」により、100gあたり0.5g未満の糖質が含まれている場合があります [23]。厳密に行う場合は注意が必要です。
② 飲み物
- 🟢 OK:
- 水、炭酸水(無糖)、お茶(緑茶、麦茶、紅茶など無糖のもの)、ブラックコーヒー
- アルコール(蒸留酒:ハイボール、焼酎、ウォッカなど)
- 🟡 注意:
- 辛口ワイン(グラス1杯程度) [17]
- 日本酒(1合まで) [37]
- 🔴 NG:
- ジュース(果汁100%含む)、スポーツドリンク、栄養ドリンク、甘い炭酸飲料
- 甘いカフェラテ、ミックスジュース
- アルコール(醸造酒:ビール [40]、甘口ワイン)
(これだけ覚える)「ゼロ表示」でも微量は入る。「合計」で考えるクセをつけましょう。
【実践編】こう選ぶ!コンビニ・外食・自炊メニュー
ケトジェニックダイエットは、選び方さえ知っていれば外食やコンビニもうまく活用できます。
① コンビニで買うならコレ(選び方の原則)
注記: 特定のブランドや商品名は、公的なデータベース(政府機関や査読論文)では網羅されていないため、ここでの記載は控えます。必ず店頭で栄養成分表示を確認する習慣をつけてください [23]。
- 主なたんぱく質・脂質源:
- ゆで卵、温泉卵
- サラダチキン(プレーン、塩味など ※タレ味は糖質確認)
- 焼き魚(塩サバ、塩鮭など)
- 冷奴、パックの納豆(付属のタレに注意)
- チーズ(6Pチーズ、スライスチーズなど)
- 野菜・その他:
- 袋入りのサラダ(葉物中心のもの)
- ドレッシングは持参するか、低糖質なもの(例:マヨネーズタイプ)を選ぶ。
- ナッツ類(素焼き、無塩)、MCTオイル入りのコーヒー
② 外食チェーンの頼み方(カスタム早見表)
外食では「主食抜き」「甘いタレ回避」が基本です。以下の「頼み方」を参考にしてください。
| 店 | 注文例 | 使える「ひとこと」 |
|---|---|---|
| 焼肉 | 塩タン、塩カルビ、ロース(塩)、サラダ | 「タレではなく塩でお願いします」「タレは別添えで」 |
| 牛丼 | 牛皿(単品)、サラダ、生卵、豚汁(※) | 「ご飯なしで、単品でお願いします」 |
| ファミレス | ステーキ、グリルチキン、ほうれん草ソテー | 「ライスは不要です」「付け合わせのポテトをブロッコリーに変えられますか?」 |
| 居酒屋 | 刺身、焼き鳥(塩)、冷奴、枝豆 | 「焼き鳥は塩で」「シメ(ご飯・麺)は要りません」 |
| 寿司 | 刺身盛り合わせ、茶碗蒸し(具に注意) | 「シャリ抜き(刺身)でお願いします」 |
(※豚汁は店舗により根菜(芋類)が含まれるため糖質量に注意)
③ 自炊おすすめメニュー例
- アボカドとサーモンのオリーブオイルサラダ
- 豚バラ肉ときのこのソテー(オリーブオイル等で調理し、仕上げにMCTオイルをかける ※MCTオイルは高温加熱(150℃以上)に不向きなため [22])
- 鶏もも肉のハーブ焼き(皮付き)とブロッコリーのソテー
- サバ缶(水煮)とほうれん草のチーズ焼き
(これだけ覚える)注文は「主食抜き・タレ別・塩指定」が合言葉です。
食材リストを使いこなすための「重要な注意点」
「OK食材」だからといって、無条件に食べ続けて良いわけではありません。安全かつ効果的に実践するために、以下の点に留意してください。
注意点1:「OK食材」でも食べ過ぎ(カロリーオーバー)は痩せない
ケトジェニックダイエット中でも、体重減少の基本原則は「エネルギー収支(摂取カロリー vs 消費カロリー)」です [24]。脂質は1gあたり9kcalとカロリーが高いため、「OK食材」であっても食べ過ぎればカロリーオーバーとなり、体脂肪は減りません。
注意点2:「脂質の質」も意識する(飽和脂肪酸より不飽和脂肪酸を)
ケトジェニックダイエットでは脂質を多く摂りますが、その「質」が長期的な健康に影響を与える可能性があります。
WHO(世界保健機関)や米国、日本の公的ガイドラインは、心血管疾患(CVD)のリスク低減のため、飽和脂肪酸(バターや肉の脂身など)の摂取を総エネルギーの10%未満に抑え、不飽和脂肪酸(魚の油、オリーブオイル、アボカドなど)に置き換えることを推奨しています [3, 4]。ケトジェニックを実践する上でも、この「脂質の質」を意識することが賢明です。
注意点3:「栄養の偏り」を防ぐ(食物繊維・ミネラル)
穀類や多くの果物を制限するため、食物繊維やカリウム、マグネシウムなどが不足しやすくなる可能性が指摘されています [1]。
便通の改善や生活習慣病予防のため、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の目標量(実現可能性を考慮した値)が設定されており、例えば男性30–64歳で22g以上/日、女性18–74歳で18g以上/日です [1, 5]。一方で、WHOなどが支援した2019年の大規模な総説では、健康上の利益を得るには1日25〜29g以上の食物繊維摂取が関連すると報告されています [2]。
ケトジェニックダイエット中は特に不足しやすいため、「OK食材」である葉物野菜、きのこ類、海藻類を毎食意識して取り入れ、栄養不足を防ぐ工夫が必要です。
注意点4: 初期症状(ケトフルー)と体調管理
ダイエット開始初期に、頭痛、倦怠感、吐き気などのインフルエンザに似た症状(通称:ケトフルー)が出ることがあります。これは体がエネルギー源を切り替える過程で起こる一時的なものとされていますが [21]、症状が重い場合や続く場合は中断し、専門家に相談してください。(対策はFAQ参照)
注意点5: 自己流での「長期継続」のリスク
ケトジェニックダイエットは、短期(数週間〜数ヶ月)の体重減少や中性脂肪の改善には有効性を示す報告が多い一方で [20]、長期的な安全性についてはまだ十分な科学的根拠が確立していません。
一部の研究では、LDL(悪玉)コレステロール値の上昇が報告されており [18, 19]、特に2023年のメタ分析では、健康な正常体重の成人がケトジェニックダイエットを行った場合、LDLコレステロール値が有意に上昇した(平均+1.08 mmol/L)ことが示唆されています [41]。脂質プロファイルへの影響は個人差が大きいため、自己流で長期間続けることは避け、定期的に血液検査を受けるなど、医師の管理下で行うことが強く推奨されます。
よくある質問(FAQ)
いいえ、無制限ではありません。前述の通り、体脂肪の増減は「エネルギー収支」に基づきます [24]。脂質は高カロリーなため、「OK食材」でも食べ過ぎればカロリーオーバーで太る可能性があります。
食物繊維と水分の摂取を見直してください。ケトジェニックダイエットでは食物繊維が不足しがちです。「OK食材」の中でも、ほうれん草 [30] やブロッコリー [31] などの葉物野菜、きのこ類、海藻類を積極的に食べ、食物繊維(1日18g〜22g以上を最低限の目標としつつ、可能なら25g以上を目指しましょう)を補うように意識してください [1, 2, 5]。「葉物+きのこ+海藻」を毎食1品ずつ組み合わせる(例:サラダ+しめじソテー+もずく)のが理想です。十分な水分補給も重要です。
ほとんどの果物は糖質(果糖)が多いためNG寄りです。例外的に、アボカドは糖質が非常に低く(100gあたり単糖当量約0.8g [単糖])、良質な脂質が豊富なため「🟢OK食材」です [16]。ラズベリーなどのベリー類は比較的糖質が少ないため「🟡注意」として少量なら可とする場合もありますが、厳密に行うなら避けるのが無難です。
「1食あたり糖質5g」を意識しましょう。例えば、ケチャップ(大さじ1杯 約4.1g)や焼肉のタレ(大さじ1杯 [単糖]約4.3g)は「🟡注意(1食あたり4.1〜4.3g)」。合計で大さじ2杯(約8g)に近づくため“注意”帯の上限を意識する必要があります。ケチャップや焼肉のタレは“基本は小さじ1から”と考えるのが安全です。
あくまで目安ですが、以下のように「手ばかり」も活用できます。
- ナッツ類(🟡注意): 片手で軽く一杯(約20〜30g)
- チーズ(🟢OK): 親指2本分(約30g)
- 油脂類(🟢OK): 大さじ1杯(約12〜15g)
甘味料の種類によって扱いが異なります。ケトジェニックダイエットで使われる甘味料は、主に「非糖質系甘味料(NSS)」と「糖アルコール」に分けられます。
- 非糖質系甘味料(NSS):
- 例: アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、ステビアなど。
- 特徴: カロリーがほぼゼロです。
- 注意点: WHO(世界保健機関)は2023年に、これらのNSSについて「長期的な体重管理や非感染性疾患のリスク低減のために使用することは推奨しない」というガイドラインを発表しました [39]。
- 糖アルコール(ポリオール):
- 例: エリスリトール、キシリトール、マルチトールなど。
- 特徴: カロリーがあり、血糖値への影響も種類によります(エリスリトールは影響がほぼ無いとされます)。WHOのNSSガイドラインの対象外です [42]。
- 注意点: 過剰に摂取すると消化器症状(お腹が緩くなるなど)を引き起こす可能性があります [38]。
どちらの種類であっても、製品によっては他の糖質が添加されている場合があるため、必ず栄養成分表示を確認してください。甘味料に頼りすぎず、素材の味を活かすことを基本にするのが賢明です。
「無糖(ノンシュガー)」で「糖質が低い」製品であれば、タンパク質補給に活用できます。購入時は栄養成分表示をよく確認し、「炭水化物」や「糖質」の量が少ないものを選んでください。水や無糖のお茶、ブラックコーヒーなどで割るのがおすすめです。
「🟡注意」の範囲で賢く選びましょう。
- アルコール: 「ハイボール」などの蒸留酒(糖質ゼロ)が最適です。辛口ワイン(グラス1杯)や日本酒(1合)は糖質10g未満の「🟡注意」の範囲内です [17, 37]。ビールや甘口ワインは糖質が多いため「🔴NG」です [40]。
- おつまみ: 「枝豆」「刺身」「焼き鳥(塩)」「冷奴」など、OK/注意食材を選びましょう。
- 回避: 「シメ(ご飯、麺、デザート)」は避けてください。
水分と電解質(塩分、マグネシウムなど)の補給を心がけてください。これは体がエネルギー源を切り替える際に起こりうる一時的な症状です [21]。しっかり睡眠をとり、塩分を含むスープ(例:具なしのコンソメスープ)を飲む、マグネシウムが豊富な「OK食材」(例:ほうれん草、アボカド)を意識して摂るなどの対策が有効です。症状が辛い場合は無理をしないでください。
栄養成分表示の「炭水化物」が100gあたり5g未満を目安にしましょう。また、「原材料名」を見て、上位に「でんぷん」「糖類」「ぶどう糖果糖液糖」などが記載されていないかを確認するのも有効です。「つなぎ」が少ない製品を選ぶことがポイントです。(※“無糖”や“砂糖不使用”といった表示は、必ずしも糖質ゼロを意味するとは限らないため、あくまで炭水化物量と合わせて確認してください)
「塩・こしょう」が基本です。可能であれば「レモン」や「酢」をもらうのも良い方法です。甘いタレが予想される場合は「タレは別添えにしてください」と頼み、自分で量をコントロールするのが最も安全です。
ケチャップの代わりとしては、マヨネーズに少量のお酢と醤油を混ぜて和風ソースにする、またはトマトペースト(無糖)に塩こしょうとオリーブオイルを混ぜる方法があります。焼肉のタレは、醤油、ごま油、酢、にんにく(すべて適量)を混ぜるか、シンプルに塩とレモンで食べるのがおすすめです。
「🟡注意」です。100gあたりの炭水化物は高いですが[11]、1食で使う量(小さじ〜大さじ1杯)は少ないため、量(1食5g未満)を測れば使用可能です。ただし、成分表の「単糖当量(約1.8g)」と「炭水化物(約19.2g)」の値に大きな差がある食品のため、製品ラベルの「糖質」表示を必ず確認してください。
以下の順で「隠れ糖質」や「カロリーオーバー」をチェックしてみてください。
- 飲料: 甘味料入りの「ゼロカロリー」飲料や、牛乳・豆乳の摂りすぎがないか。
- 調味料: 「🟡注意」の調味料(ケチャップ、ポン酢、本みりん等)を、大さじ1杯以上使っていないか。
- ナッツ・チーズ: 「🟡注意」の食品です。無意識に食べる量が増えていないか。
- 外食: 付け合わせの野菜(コーンや人参など)や、ドレッシングで糖質を摂っていないか。
(これだけ覚える)迷ったら「1食糖質5g」のルールと「調味料は合計大さじ2杯まで」の目安で仕切り直しましょう。
【免責事項】
この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方、その他健康に不安のある方は、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
[1] 厚生労働省. 『日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書(全文)』. 2024–2025. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
[2] Reynolds A, Mann J, Cummings J, Winter N, Mete E, Te Morenga L, et al. Carbohydrate quality and human health: a series of systematic reviews and meta-analyses. The Lancet. 2019;393(10170):434–445. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31809-9
[3] World Health Organization. Saturated fatty acid and trans-fatty acid intake for adults and children: WHO guideline. Geneva: WHO; 2023. https://www.who.int/publications/i/item/9789240073630
[4] U.S. Departments of Agriculture and Health and Human Services. Dietary Guidelines for Americans, 2020–2025. 9th ed. 2020. https://www.dietaryguidelines.gov/resources/2020-2025-dietary-guidelines-online-materials
[5] 厚生労働省. 『日本人の食事摂取基準(2025年版)の策定ポイント(食物繊維 ほか)』. 2025. https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001396865.pdf
[6] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「トマトケチャップ(食品番号 17036)」(17_17036_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17036_7
[7] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「ぽん酢しょうゆ(食品番号 17110)」(17_17110_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17110_7
[8] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「焼肉のたれ 濃厚(食品番号 17113)」(17_17113_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17113_7
[9] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「本みりん(食品番号 16025)」(16_16025_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16025_7
[10] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「料理酒(加塩)(食品番号 17138)」(17_17138_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17138_7
[11] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「白しょうゆ(食品番号 17011)」(17_17011_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17011_7
[12] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「ドレッシング 和風ノンオイル(食品番号 17039)」(17_17039_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17039_7
[13] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「マヨネーズ 全卵型(食品番号 17042)」(17_17042_7). https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=17_17042_7
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