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レンコンの栄養と健康効果を科学的に徹底解説|カロリー・糖質・ダイエット・美肌への賢い活かし方から注意点まで
レンコンは、シャキシャキとした食感とほのかな甘みで、私たちの食卓を豊かにしてくれる健康野菜です。ダイエットや美肌、さらには咳や花粉症に良いといった話を耳にすることもあるかもしれません。
この記事では、レンコンの栄養素が持つ「科学的にコンセンサスが得られている健康維持効果」と、ダイエットや美肌など「特定の目的(仮説)」に対して、現在どこまで科学的に解明されているかを、エビデンスレベル(確立された事実か、研究段階か)を明確に区別して整理します。
日々の食卓にレンコンを賢く取り入れるヒントとして、ぜひご活用ください。(この記事は2025年11月時点の最新情報に基づいています)
この記事でわかること
- レンコンの正確なカロリー・糖質と、他根菜との比較(一覧表)
- 主要栄養素(食物繊維・ビタミンC・カリウム)の「確立された」健康効果
- 「レンコンは痩せる?」「美肌になる?」という疑問に対する、現在の科学的な回答
- ネバネバ成分の正体と、「ムチン」という呼称がなぜ不正確なのか
- 「咳・花粉症に効く」説に関する、動物実験および最新のヒト臨床試験の結果と限界
- レンコンの旬、おいしい選び方、長持ちする保存方法
- 栄養を逃さず、賢く取り入れるための「食べ方まとめ(調理法・量・タイミング)」
📊 レンコンのカロリー・糖質・栄養成分を一覧でチェック
まず、レンコンの基本的な栄養価を、他の根菜と比較しながら見てみましょう。
生レンコン100gあたりのカロリー・糖質・主な栄養成分
レンコンは、大根のような低カロリー野菜ではなく、じゃがいもに近い中程度のエネルギー・糖質を持つ根菜に分類されます。
| 食材(生・可食部100g) | エネルギー(kcal) | 炭水化物(g) | 糖質量 (g)※ | 食物繊維(g)(総量) | ビタミンC(mg) | カリウム(mg) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| レンコン [1] | 66 | 15.5 | 13.5 | 2.0 | 48 | 440 |
| じゃがいも [3] | 59 | 17.3 | 16.1 | 1.2 | 28 | 410 |
| 大根 [4] | 15 | 4.1 | 2.8 | 1.3 | 11 | 230 |
※糖質量は「炭水化物 – 食物繊維総量」で計算した概算値。じゃがいもの食物繊維総量は1.2g(水溶性0.2g, 不溶性1.0g)です[3]。
調理法によるカロリー・糖質の変化(目安)
レンコン自体のカロリーは中程度ですが、調理法によってエネルギー量は大きく変わります。
- ゆで(100g): 66 kcal [2]
- エネルギーは生とほぼ同じですが、水溶性のビタミンC(18mgに減少)やカリウム(240mgに減少)が失われやすいです。
- きんぴら(小鉢1皿 約80g): 約70〜90 kcal
- 砂糖(糖質)と油(脂質)が加わるため、エネルギー・糖質ともに高めになります。
- 天ぷら(1枚 約30g): 約50〜70 kcal
- 衣が油を吸うため、少量でも高カロリー・高脂質になります。
この章のポイント
- レンコンは「低カロリー野菜」ではなく、じゃがいもに近い「中程度の糖質を含む根菜」です。
- きんぴらや天ぷらなど、油や砂糖を使う調理法は、カロリーや糖質が大幅に増える原因になります。
🔬 科学的に解説!レンコンの主要栄養素とその「確立された」効能
レンコンに含まれる栄養素のうち、特に注目すべきは以下の3つです。これらの栄養素が持つ健康効果は、多くの研究によって確立された事実とされています。
① 食物繊維(不溶性・水溶性)
レンコンは生100gあたり2.0 g、ゆでても2.3 gの食物繊維を含みます[1, 2]。食物繊維には、ヒトの健康において以下のような重要な役割があることが国際的なコンセンサスとなっています[5, 6]。
- 便通の改善: 便のかさを増やし、腸の動きを活発にします。
- 血糖値上昇の抑制: 食後の血糖値の急激な上昇を穏やかにする働きがあります。
- 血中コレステロール濃度の低下: 脂質の吸収を調整する作用が報告されています。
- 生活習慣病の予防: 肥満や糖尿病、脂質異常症などのリスク低減に役立つ可能性が、多くの観察研究やメタ解析(複数の研究を統合した解析)によって強く示されています[5, 6, 26]。
② ビタミンC
レンコンは生100gあたり48 mgと、根菜としては非常に多くのビタミンCを含みます[1]。ビタミンCは強力な抗酸化物質であり、ヒトの体内で以下の不可欠な役割を担っています[5, 7, 8]。
- コラーゲンの生成: 皮膚、血管、骨、軟骨などを構成するコラーゲンの合成に必須です。
- 抗酸化作用: 細胞を酸化ストレスから守り、老化や疾患のリスク低減に関わります。
- 免疫機能の維持: 免疫システムの正常な働きをサポートします。
- 鉄の吸収促進: 植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収を高めます。
③ カリウム
レンコンは生100gあたり440 mgのカリウムを含みます[1]。カリウムは体内のミネラルバランスを保つ上で重要です[2, 6, 9]。
- ナトリウムの排出: 体内の余分なナトリウム(塩分)を尿中に排泄するのを助けます。
- 血圧の調節: ナトリウム排出を促すことで、塩分の摂り過ぎによる高血圧の予防・改善に寄与する可能性が示されています[2, 6, 12]。
この章のポイント
- レンコンには、健康維持に不可欠な食物繊維、ビタミンC、カリウムが豊富に含まれています。
- これらの栄養素が持つ「整腸作用」「抗酸化作用」「血圧調節サポート」といった効果は、科学的に広く確立されています。
🗨️ レンコンのネバネバは「ムチン」ではない?その正体とは
レンコンを切ると糸を引くネバネバした成分。これが「ムチン」と呼ばれ、「粘膜を保護する」と聞いたことはありませんか?ここでは、その正体について科学的に整理します。
ネバネバ成分の正体と「ムチン」という呼称の問題点
まず重要な点として、レンコンのネバネバ成分を「ムチン」と呼ぶのは、科学的には不正確です。
- ムチン (Mucin): 医学・生化学において、ムチンは「動物(ヒトを含む)の消化管や気道などの粘膜から分泌される、高分子の糖タンパク質」を指す専門用語です。
- レンコンの粘り: 一方、レンコンやオクラ、ヤマイモなどの粘りの主体は、「水溶性食物繊維(ペクチンなど)」や「多糖類」、一部の糖タンパク質などが複合的に絡み合った「植物性粘質物」です[13, 15]。
これらは化学的に異なる物質であり、日本の学会や一部の自治体サイト(例:弘前大学医学部附属病院[16])などでも、植物性の粘質物をムチンと呼ぶのは誤用であるとの指摘がなされています。
この章のポイント
- レンコンのネバネバは動物性の「ムチン」ではなく、「植物性粘質物(水溶性食物繊維や多糖類など)」です。
- 「ムチン」という呼び名は誤用であり、科学的な正確性を欠く表現です。
🤧 レンコンは咳や花粉症に効く?最新エビデンスの現在地
「レンコン湯が喉に良い」「花粉症に効く」といった説は、どこまで科学的根拠があるのでしょうか。エビデンスレベルを分けて解説します。
基礎研究(動物・細胞)での抗アレルギー作用
まず、細胞実験や動物実験のレベルでは、レンコン由来の成分がアレルギー反応を抑える可能性を示す報告が複数あります。
- アレルギーモデルマウスにレンコン粉末を与えたところ、くしゃみ回数の減少や、アレルギーに関連するIgE抗体・炎症性物質の低下が報告されています[15]。
- レンコンに含まれるポリフェノール(エピガロカテキンポリマーなど)が、アレルギー反応を引き起こす免疫細胞のシグナルを抑制するメカニズムも研究されています[19]。
これらは「レンコンに抗アレルギー作用を持つ成分が含まれる可能性」を示す興味深い結果ですが、あくまで基礎研究です。
ヒト臨床試験での効果と限界
では、人間が食べた場合はどうでしょうか。
かつては「ヒトでの臨床研究はない」とされていましたが、2020年に日本で小規模ながらランダム化二重盲検プラセボ対照試験(RCT)の結果が報告されました[18]。
ひとこと訳:RCTとは?「ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(RCT)」とは、薬や食品の本当の効果を確かめるための、最も信頼性が高い科学的な試験方法の一つです。
- 対象: 通年性アレルギー性鼻炎の患者さん
- 内容: レンコンエキスパウダー(顆粒)またはプラセボ(偽薬)を一定期間摂取してもらう。
- 結果: プラセボ群と比較して、レンコンエキス摂取群では「眼の症状スコア」やQOL(生活の質:日常生活の快適さや満足度)の一部指標で有意な改善が見られました。
- 限界: 一方で、主要な評価項目であった「鼻の症状(くしゃみ、鼻水など)スコア」には、統計的な有意差は見られませんでした。
この結果から言えるのは、「レンコン由来成分がヒトのアレルギー症状の一部(特に眼)を和らげる可能性はある」ものの、「花粉症や鼻炎が治る」と言えるほどの強力で一貫したエビデンスはまだ確立していない、ということです。
この章のポイント
- 動物・細胞レベルでは、レンコンの成分に抗アレルギー作用の可能性が示されています。
- ヒトでの小規模な臨床試験(RCT)では、「眼の症状」等に一部改善が見られたものの、「鼻症状」への明確な効果は確認されず、エビデンスはまだ限定的です。
- 医薬品のような治療効果を期待してレンコンに頼ることは、科学的根拠に乏しく、推奨されません。
🏃♀️ 「レンコンでダイエット」をサポートする賢い食べ方
レンコンをダイエットに取り入れたいと考える方も多いでしょう。しかし、レンコンは「食べれば痩せる」魔法の食材ではありません。その理由と、賢い活用法を解説します。
なぜ「太る」イメージがある?
レンコンは前述の通り、じゃがいもと同程度のカロリーと糖質を含みます。低カロリー食材とは言えません[1, 3]。
「レンコンは太る」というイメージがある場合、それは食材そのものよりも調理法に原因があるかもしれません。
注意したい調理法:
- きんぴら: 甘辛く味付けするため、砂糖(糖質)と油(脂質)を多く使いがちです。
- 天ぷら・はさみ揚げ: 衣が油を吸うため、高カロリー・高脂質になります。
ダイエットの味方にするコツ
レンコンの栄養特性を活かせば、ダイエット中の食事を力強くサポートしてくれます。
- 調理法を工夫する(油・砂糖を控える)
脂質や糖質を増やさない「蒸す」「茹でる」「グリル(ノンオイル)」「和え物」などがおすすめです。 - シャキシャキ食感を活かす
少し厚めに切って加熱しすぎないことで、レンコン特有の食感が残ります。咀嚼(そしゃく)回数が増えることで満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐサポートになります[5]。 - 食べる順番の工夫(血糖値と食育のバランス)
豊富に含まれる食物繊維は、食後の血糖値の急激な上昇を穏やかにする働きが期待できます[5, 6]。そのため、血糖コントロールを特に意識する場合は、野菜料理であるレンコンを食事の最初の方で食べる「ベジファースト」の実践も、一つの合理的な方法です。実際に、野菜を先に食べることで食後の血糖上昇が抑えられたとする臨床研究も報告されています[22, 25]。 一方で、日本の伝統的な食育においては、ご飯・主菜・副菜・汁物を順に食べる『三角食べ』が推奨されてきました。これは、味の濃いおかずと薄いご飯を口の中で混ぜ合わせる『口腔調味(口中調味)』によって、味覚を育み、よく噛む習慣をつけ、栄養バランスを整える目的があるとされています[23, 24]。 ご自身の健康目標(血糖値の管理)と、食育(味覚の発達や食事の楽しみ方)のどちらを優先するかによって、食べ方を調整するのがよいでしょう。最初に一部の野菜を食べ、その後は三角食べに移行するといった両方の利点を取り入れる方法も考えられます[22]。
この章のポイント
- レンコンは「低カロリー食材」ではなく、調理法(油・砂糖)次第で高カロリーになります。
- 「痩せる」直接的な効果はヒトで証明されていません。
- 「調理法の工夫」「噛みごたえ」を活かしつつ、「食べる順番」はご自身の健康目標や食育の考え方に応じて選択するのが賢明です。
✨ 「レンコンで美肌」を目指すための栄養学的アプローチ
レンコンに含まれる栄養素は、美肌の土台作りにも貢献する可能性があります。
美肌への「貢献」が期待できる3つの理由
- ビタミンC(コラーゲン生成と抗酸化)
肌のハリを保つコラーゲンの生成に、ビタミンCは不可欠です[8]。また、その強力な抗酸化作用は、紫外線などによる酸化ストレスから肌細胞を守る働きが期待されます。 - 食物繊維(腸内環境と「腸-皮膚軸」)
食物繊維による腸内環境の改善が、全身の免疫や炎症の調節を介して皮膚の状態にも良い影響を与える(腸-皮膚軸)という考え方が注目されています[20]。 - ポリフェノール(タンニン)の抗酸化作用
レンコンのアク(渋み)の成分であるタンニン(ポリフェノールの一種)には、細胞実験や動物実験レベルで抗酸化作用が確認されています[13, 14, 17]。
ただし、これらはあくまで「レンコンに含まれる栄養素」の一般的な働きや基礎研究の結果です。「レンコンそのものを食べるとシミやシワが改善する」ことを直接証明したヒト臨床試験は、現時点では存在しません。
栄養を逃しにくい調理法
美肌サポートを期待するなら、栄養素を効率よく摂る工夫が大切です。
- ビタミンC・カリウムは水に溶けやすい
成分表を比較すると、茹でる(ゆでこぼし)ことでビタミンCは約60%、カリウムは約45%も失われてしまいます[1, 2]。 - おすすめの工夫
- スープや煮物: 煮汁ごと食べられる料理(味噌汁、ポトフなど)は、溶け出した栄養素も摂取できます。
- 蒸す・電子レンジ加熱: 茹でるよりも水溶性ビタミンの損失が少ない調理法です[10, 11]。
- 酢水と皮の活用: 変色防止の「酢水」は、ポリフェノールの酸化を防ぐ点でも理にかなっています。また、皮付近にも栄養素が含まれるため、よく洗って皮ごと調理するのも良いでしょう。
この章のポイント
- レンコンに含まれるビタミンC、食物繊維、ポリフェノールは、美肌の「土台作り」に貢献する可能性があります。
- 「レンコンで美肌になる」という直接的な因果関係は、ヒトでは証明されていません。
- 水に溶けやすいビタミンCなどを逃さないよう、「汁ごと食べる」「蒸す」といった調理法がおすすめです。
📝 今日からできる!レンコンの賢い食べ方まとめ
結局、レンコンの健康メリットを活かすにはどう食べればよいか、ポイントを表とリストにまとめます。
調理法別メリット・デメリット早わかり表
| 調理法 | カロリー増 | ビタミンC残存 | 手軽さ | おすすめ活用シーン |
|---|---|---|---|---|
| 天ぷら・揚げ物 | 高い (油) | 普通 | △ | ご褒美メニューとして。頻度と量を控えめに。 |
| きんぴら | 中〜高 (油・砂糖) | 普通 | ○ | ダイエット中は砂糖・みりん・油を控えめに。 |
| 蒸す・レンジ加熱 | 低い | 高い | ◎ | ダイエット・美肌サポートの両立に最適。 |
| スープ・味噌汁 | 低〜中 | 高い (汁ごと) | ◎ | 溶け出た栄養も丸ごと摂れる。忙しい日に。 |
| 茹でる(和え物) | 低い | 低い (茹でこぼし) | ○ | カリウム制限が必要な場合は「茹でこぼし」が有効。 |
| 生(酢の物) | 低い | 最も高い | ○ | ビタミンCを最大に摂りたい時に。消化に注意。 |
賢い取り入れ方 3つのコツ
- 【量】1日「小鉢1皿」程度を目安に
食べ過ぎは糖質の摂り過ぎや、食物繊維によるお腹の張りにつながります。1日70〜100g(小鉢1皿程度)を目安に、他の野菜とバランス良く組み合わせましょう。 - 【調理法】「蒸す・汁ごと」を基本に
ダイエットや美肌サポート(ビタミンC)を重視するなら、油や砂糖を使わず、栄養が逃げにくい「蒸し調理」「電子レンジ加熱」「スープ・味噌汁」が最も効率的です。 - 【タイミング】ご自身の目的に合わせて選択
- 血糖コントロールを重視する場合: 食事の「最初」にレンコンの小鉢などを食べる(ベジファースト)。
- 食育や味覚の発達を重視する場合: ご飯や他のおかずと交互に「三角食べ」を実践し、「口腔調味」を楽しむ。
🛒 レンコンの旬・選び方・保存方法もチェック
栄養価の高いレンコンを、より美味しく長持ちさせるための豆知識です。
レンコンの旬と主な産地の目安
レンコンの旬は、主に秋から冬(10月〜3月頃)です。この時期のレンコンは粘りが強く、甘みが増しているとされます。主な産地は茨城県(日本一の生産量)、徳島県、佐賀県などです。夏(7月〜9月頃)には「新レンコン」が出回り、これはみずみずしくシャキシャキした食感が特徴です。
おいしいレンコンの選び方(色・穴・硬さのポイント)
- 色: 全体にふっくらとしており、表面にツヤと自然な肌色(白〜淡いクリーム色)があるもの。
- 重さ: 持った時にずっしりと重みを感じるものは、水分がしっかり詰まっています。
- 穴: 切り口の穴が小さく、きれいに揃っているものが良いとされます。穴の中が黒ずんでいるものは避けましょう。
- 傷: 傷や変色が少ないものを選びます。
冷蔵・冷凍で長持ちさせる保存のコツ
- 冷蔵保存(丸ごと・土付き):
湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。1〜2週間程度が目安です。 - 冷蔵保存(カットしたもの):
切り口が空気に触れると変色するため、ぴったりとラップで包み、ポリ袋に入れて野菜室へ。2〜3日以内に使い切りましょう。変色防止に酢水につける方法もありますが、栄養が流れ出るため、保存よりは調理の下ごしえとして行うのが良いでしょう。 - 冷凍保存:
皮をむいて使いやすい形(薄切り、乱切りなど)に切り、酢水に短時間さらしてから水気を拭き取ります。冷凍用保存袋に入れて密封し、冷凍庫へ。調理時は凍ったまま加熱します。食感がやや柔らかくなることがありますが、1ヶ月程度保存可能です。
🩺 FAQ:レンコンに関するよくある疑問
適量であれば問題ありません。しかし、レンコンは食物繊維が豊富なため、一度に大量に食べたり、急に摂取量を増やしたりすると、お腹の張り(腹部膨満感)やガスの原因になることがあります[5, 6]。
また、糖質も含まれるため、ダイエット中の方は特に食べ過ぎに注意が必要です。他の野菜とも組み合わせながら、1日小鉢1皿程度を目安にバランス良く取り入れましょう。
注意が必要ですが、適量なら可能です。レンコンは根菜の中では糖質が多め(100gあたり約13.5g)なので、厳格な糖質制限(ケトジェニックなど)を行っている場合は避けた方が無難かもしれません。ゆるやかな糖質制限(ロカボ)の場合は、きんぴらや天ぷらを避け、「蒸す」「茹でる」などで1食あたり少なめ(例:50g程度)にし、他の低糖質野菜と組み合わせるのが良いでしょう。
はい、問題ありません。レンコンに含まれる食物繊維は、妊娠中に起こりがちな便秘の予防・改善に役立ちます。また、ビタミンCやカリウムも、母体と胎児の健康維持に貢献します。ただし、どんな食品も「そればかり食べる」のはバランスを欠きます。また、Q1で述べたようにお腹が張りやすい側面もあるため、食べ過ぎには注意し、バランスの良い食事の一部として取り入れてください。
冷凍によって一部の栄養素(特にビタミンC)は減少する可能性がありますが、食物繊維などは比較的保たれます。生のまま切って冷凍用保存袋に入れるか、軽く下茹で(または蒸して)から冷凍すると、調理時に便利です。栄養価の損失を最小限にするには、できるだけ早く使い切ることが理想です。
食べられます。皮と実の間にはポリフェノールなどの栄養素も含まれているため、きれいに洗い、泥や傷んだ部分を取り除けば、皮ごと調理する(薄切り、きんぴら、煮物など)のもおすすめです。ただし、皮は繊維が硬めなので、食感が気になる場合はむいてください。
はい、生でも食べられます。酢の物やサラダ、すりおろして和え物などにすると、加熱で失われがちなビタミンCを効率よく摂取できます。ただし、生の場合はアク(タンニン)による渋みを感じることがあるため、酢水にさらすのが一般的です。また、消化に負担がかかる場合もあるので、胃腸が弱い方は加熱した方が安心です。
メリットとデメリットがあります。
- 惣菜のきんぴら: 食物繊維を摂ることはできますが、一般的に砂糖・みりん(糖質)や油(脂質)、塩分が多くなりがちです。ダイエットや健康管理中は、量や頻度に注意が必要です。
- レンコンチップス: お菓子であり、揚げているため高カロリー・高脂質です。「健康食品」としてではなく、食物繊維が摂れる「おやつ」として、たまに楽しむ程度にしましょう。
非常にまれですが、存在します。レンコン特有のアレルギーが頻繁に報告されているわけではありませんが、他の野菜や果物と同様に、口腔アレルギー症候群(OAS:口の中のかゆみやイガイガ感など)の原因となる可能性はあります。重篤な例として、レンコン摂取によるアナフィラキシー(全身性の強いアレルギー反応)の症例報告も日本で確認されています[21]。レンコンを食べて明らかな体調不良(口や喉の違和感、じんましん、息苦しさなど)が出た場合は、直ちに摂取を中止し、医療機関にご相談ください。
⚠️ 安全のための「しないことリスト」と心がけ
読者の皆様がご自身の健康を主体的に守るために、以下の点にご留意ください。
しないことリスト
- 「痩せ薬」の代わりにレンコンだけを食べる(栄養失調のリスクがあります)
- 咳や花粉症の「治療」としてレンコンに頼る(エビデンスが不十分であり、適切な治療が遅れる可能性があります)
- 腎機能への不安を抱えたまま大量に食べる
- アレルギー症状が出たのに、食べ続けること
代わりに心がけたいこと
- レンコンを食事全体のバランスを整える一員として、美味しく楽しむ。
- 特定の食品に頼らず、多様な食材から栄養を摂る。
- 健康上の不安(特に腎機能やアレルギー)がある場合は、自己判断せず医師や管理栄養士に相談する。
特に注意:腎機能が低下している方へ
レンコンはカリウムを比較的多く含む野菜です[1, 2]。健康な方であればカリウムの摂り過ぎは問題になりにくいですが、腎機能が低下している方はカリウムをうまく排泄できず、高カリウム血症(不整脈などを引き起こす危険な状態)になるリスクがあります[2, 6]。
慢性腎臓病(CKD)などで医師からカリウム制限の指示を受けている方は、レンコンの摂取量や調理法(茹でこぼしなど)について、必ず主治医や管理栄養士の指導に従ってください。
🏁 まとめ
レンコンは、私たちの健康維持に役立つ栄養素を豊富に含む優れた野菜です。この記事では、その効果をエビデンスレベル(科学的根拠の強さ)で分けて整理しました。
- 「確立された」効能: 食物繊維、ビタミンC、カリウムが豊富で、これらが持つ整腸作用、抗酸化作用、ナトリウム排出サポートといった健康効果は科学的に広く認められています。
- 「仮説段階」の効能: 一方で、「レンコンで痩せる」「美肌になる」といった直接的な効果は、ヒトでの科学的エビデンスは不十分です。
- アレルギー関連: 「咳・花粉症」については、動物実験での可能性が示され、ヒトの小規模試験で「眼の症状」への一部改善が報告されましたが、鼻症状への効果は限定的であり、エビデンスはまだ確立していません。
- 賢い活用法: レンコンを「魔法の食材」ではなく、「健康的な食生活を支える優秀なサポート役」として位置づけましょう。調理法(油・砂糖を控える、蒸す、汁ごと食べる)を工夫し、旬や保存方法も参考にしながら、バランスの良い食事の一部として取り入れることが、最も科学的で賢明な付き合い方です。
【免責事項】この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスに代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方、その他健康に不安のある方は、必ず事前に医師や管理栄養士にご相談ください。
参考文献
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