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【朝食、ホントに必要?】「朝食抜き」がダイエット・筋トレに与える影響を徹底解説
「朝食は一日で一番大切な食事」って、昔からよく言われてきましたよね。でも実際、朝食って本当に必要なのでしょうか?ダイエットや筋トレに励んでいる人にとっては、特に気になるポイントですよね。
昔は「朝食はガッツリ、昼食はほどほどに、夕食は質素に」なんて言われていましたが、最近の研究では、朝食と健康の関係について、様々なことがわかってきています。
今回は、朝食を「食べる・食べない」が私たちの体にどう影響するのか、科学的な視点から詳しく見ていきましょう。
【先に結論】朝食は必須?「朝食を抜く」のはアリ?
忙しい方のために、まずはこの記事の結論からお伝えします。
結論:朝食は「必須」ではありません。しかし、目的によっては食べた方が有利な人もいます。
- ダイエット(体重減少)が目的の場合
- 食べた方がいい人:
- 朝食を抜くと、昼食や夕食で「ドカ食い」してしまう人。
- 午前中の活動量が多い、または集中力が必要な人。
- 抜いてもいい人:
- 朝から食欲がなく、無理して食べるとかえって調子が悪い人。
- 朝食を抜いても、昼食・夕食の量や間食をコントロールできる人。
- 1日の総摂取カロリー管理が「朝食抜き」の方がやりやすい人。
- 食べた方がいい人:
- 筋トレ(筋肥大)が目的の場合
- 食べた方がいい人:
- 1日の総タンパク質量を確保するのが難しい人。
- タンパク質の摂取回数(3〜5回)を確保し、筋肉の合成効率をなるべく高めたい人。
- 抜く場合の条件:
- 朝食を抜いても、1日の総タンパク質量を昼・夜・間食で十分に確保できる人。
- (推奨)朝食の代わりに、午前中にプロテインドリンクなどでタンパク質を補給できる人。
- 食べた方がいい人:
明日の朝からどうする?目的別・朝食スタイル選び分け表
| 目的 | 朝食スタイル | 向いている人 | ワンポイントアドバイス |
|---|---|---|---|
| ダイエット | 食べる | 朝食を抜くとドカ食いしやすい人 | 軽め+高たんぱくにし、1日の総カロリーをアプリなどでざっくり把握する。 |
| ダイエット | 抜く | 朝食なしでも昼・夜・間食をコントロールできる人 | 反動食い・間食が増えていないか、最初の2週間は意識的にチェックする。 |
| 筋トレ | 食べる | 1日のたんぱく質量・回数の確保が難しい人 | 朝・昼・夜+間食で「20〜40g×3〜5回」をイメージする。 |
| 筋トレ | 抜く | 昼・夜・プロテインで十分なたんぱく質をとれる人 | 午前中にプロテイン1回を挟み、長時間たんぱく質ゼロの状態を避ける。 |
朝食に関する研究の複雑さ
朝食と健康に関する研究は数多くありますが、その結果は一貫していません。
理由の一つは、「観察研究(生活習慣を追跡調査)」と「介入研究(RCT:ランダム化比較試験)」で異なる結論が出やすいためです。
- 観察研究では…
「朝食を抜く習慣のある人」は、肥満度(BMI)が高かったり、心代謝系のリスク指標(コレステロール値など)が高かったりする傾向が報告されています [1]。しかし、これは朝食抜きが直接の原因か、あるいは朝食を抜く人の他の生活習慣(例:睡眠不足、運動不足、喫煙、全体的な食事の質の低さ)が影響しているのか区別が困難です(交絡因子)。 - 介入研究(RCT)では…
これまで朝食を食べていなかった人に朝食を食べるように指示しても、必ずしも体重減少が促進されるわけではない、という結果が系統的レビュー(複数の研究をまとめたもの)で示されています [5]。
この記事では、よくある「朝食は良い/悪い」という単純な話ではなく、「どのような研究(観察研究か、介入研究か)」に基づいているかを分けて解説し、ご自身の判断の助けになる情報を提供することを目指しています。
朝食が身体に与える影響
体重とエネルギー消費
「朝食を抜くと代謝が落ちて太る」とよく言われますが、最新の研究ではより複雑な実態が見えています。
- 体重への影響
複数の介入研究(RCT)をまとめた2019年のメタ解析 [5] によると、朝食を食べる群と抜く群を比較した結果、朝食抜き群の方が(平均約0.4kgと)ごくわずかに体重が軽くなる傾向が示されました。
むしろ、朝食を食べる群の方が1日の総摂取カロリーが(平均で約260kcal)多くなる傾向がありました。
つまり、朝食を抜くこと自体が太る直接的な原因ではなく、1日の総摂取カロリーが最も重要である可能性が高いです。
(ただし、このメタ解析は、含まれる研究の多くが短期間であり、質の面でも限界があるため、体重への長期的な影響はまだ不確実であるとも指摘しています。) - 代謝への影響
「代謝が落ちる」という点についても、詳細な研究が行われています。
例えば、Bath Breakfast Projectという著名なRCT [6] によると、朝食の有無は安静代謝率(RMR:じっとしていても消費するCALORIE)には影響を与えませんでした。
しかし、朝食を食べた群は、午前中の身体活動によるエネルギー消費が(無意識的に)増加する傾向が見られました。
急性の代謝・血糖値への影響
朝食を抜くと、その日の体調に短期的な影響が出ることがあります。
- 健康な女性を対象にしたクロスオーバー試験 [2] では、朝食を抜いた日は、昼食後のインスリン感受性が低下し、脂質(コレステロールなど)の反応も悪化することが示されました。(つまり、同じものを食べても、血糖や脂質のコントロールがその日はやや不安定になりやすい、というイメージです。)
- また、前述のBath Breakfast Project [6] でも、朝食を食べた日は、食べなかった日と比較して、午後から夕方にかけての血糖値の変動がより安定していました。
認知機能・気分・体内時計
- 集中力・認知機能
特に子どもや青少年においては、朝食を摂ることが記憶や注意力といった認知機能に良い影響を与える可能性が、レビュー [3] や系統的レビュー [7] で示唆されています。ただし、成人における影響は、まだエビデンスが限定的です。 - 気分
朝食を摂ることが、特に子どもにおいて気分を改善する可能性も指摘されています [7]。 - 体内時計(概日リズム)
「いつ食べるか」という食事のタイミングが、私たちの体内時計に影響を与える可能性が示唆されています [8]。朝食を抜いて食事の時間が遅れることが、末梢(内臓など)の時計の位相を遅らせる可能性も指摘されていますが(ざっくり言うと、「体の中の時間感覚」が少し後ろにずれてしまうイメージです)、これが長期的にどう健康に影響するかは、まだ研究が進められている段階です。
【参考】主要アウトカム別まとめ(観察研究 vs 介入研究)
| アウトカム | 観察研究(習慣の調査) | 介入研究(RCT:強制的に変更) |
|---|---|---|
| 体重 (BMI) | 朝食抜きは高BMIと関連 [1] | 朝食の有無で差は小さい(短期では朝食抜きが微減)[5] |
| 総摂取エネルギー | (データが多様) | 朝食を食べると1日の総摂取量が増加傾向 [5] |
| 安静代謝 (RMR) | (測定困難) | 朝食の有無で変化なし [6] |
| 身体活動消費 | (測定困難) | 朝食を食べると活動消費が増加する可能性 [6] |
| 血糖応答 | (データが多様) | 朝食抜きで昼食後のインスリン感受性低下 [2, 6] |
| 認知・気分 | (データが多様) | 特に子どもでポジティブな効果の可能性 [3, 7] |
朝食を抜くメリット・デメリット
ここまでの研究結果を踏まえると、メリット・デメリットは以下のように整理できます。
【朝食を抜くメリット】
- 総カロリー管理の容易さ:1日の総摂取カロリーを抑えやすくなる可能性がある [5]。
- 時間短縮:朝食の準備や食事の時間を節約できる。
- (間欠的ファスティング):食べない時間が長くなるため、間欠的ファスティング(IF)に近い状態になる。
【朝食を抜くデメリット】
- タンパク質摂取機会の減少:筋トレやボディメイクにおいて、タンパク質の摂取回数が減る(後述)。
- 急性の代謝応答悪化:昼食後の血糖値やインスリン反応が悪化する可能性がある [2]。
- 体内時計への影響:食事リズムが乱れ、体内時計に影響する可能性がある [8]。
- 日中の活動量低下の可能性:ある研究[6]では、朝食を摂取した群で午前中の身体活動による消費が(無意識的に)増加しました。これは裏返せば、朝食を抜くと1日の総消費カロリーが(活動量の低下により)相対的に減少する可能性があることを示唆しています。
目的別:ダイエット・筋トレと朝食の付き合い方
目的別に整理します。
1. ダイエット(体重減少)が目的の場合
体重減少の最も重要な要因は「総摂取カロリー < 総消費カロリー」です。
朝食を食べても食べなくても、このバランスが達成できれば体重は減ります。朝食を抜くことで1日の総カロリーを管理しやすいなら、それも有効な戦略です [5]。ただし、朝食を抜いた反動で昼食や夕食で食べ過ぎてしまい、結果的に総カロリーが増えては逆効果です。
2. 筋トレ(筋肥大・ボディメイク)が目的の場合
筋肥大のためには、「1日の総タンパク質量」を十分に確保することが最優先です [9]。
その上で、筋肉の合成(MPS)を効率よく高めるためには、1食あたり20〜40g程度のタンパク質を、1日数回(例:3〜5回)に分けて摂取することが、生理学的な指標(MPS)を高める上で有益である可能性が示されています [10]。
ただし、これは主に短期的な筋肉の合成反応を見た研究([10]など)に基づくものであり、長期的な筋肥大(筋肉量の増加)については、「1日の総タンパク質量」を十分に確保することが最も重要である、というメタ解析の結果 [9] もあります。
朝食を抜くと、タンパク質の摂取が昼・夜の2回に集中しがちです。これが筋合成の効率にとって最適でない可能性はありますが、それ以上に1日の総タンパク質量が足りているかをまず確認することが重要です。
筋トレに励む人は、朝食を抜く場合でも、プロテインドリンクなどを活用して午前中にタンパク質を補給し、「摂取の均等分配」を意識しつつ、まずは総量を確保することを最優先にしましょう。
朝食の代わりに何を食べる?
朝食を抜く場合でも、水分補給はしっかり行いましょう。
水分が不足すると、代謝が正常に働かなくなったり、疲労感の原因になったりする可能性があります。こまめな水分補給を心がけましょう。また、前述の通り、ボディメイクを考えている人は、プロテインドリンクなどを利用してタンパク質を摂取することを検討しましょう。
朝食あり/なしでの1日の食事例(ダイエット・筋トレ編)
具体的なイメージとして、簡易的な食事例を紹介します。
朝食を「食べる」派の食事例
- ダイエット目的の例:
- 朝食: ヨーグルト(無糖)、ゆで卵、バナナ半分
- 昼食: 鶏むね肉のサラダ、おにぎり1個
- 夕食: 焼き魚(サバなど)、ほうれん草のおひたし、豆腐、玄米(少量)
- 筋トレ目的の例:
- 朝食: オートミール(プロテインパウダー入り)、卵2個、キウイ
- 昼食: 牛もも肉のステーキ丼(玄米)、ブロッコリー
- 間食: プロテインドリンク
- 夕食: 鶏もも肉と野菜の炒め物、納豆、白米
朝食を「抜く」派の食事例
- ダイエット目的の例:
- 朝食: 水 または ブラックコーヒー
- 昼食(最初の食事): 豚しゃぶサラダ(ゴマだれ少なめ)、わかめスープ
- 間食: ナッツ類(少量)
- 夕食: 豆腐ハンバーグ、キノコのソテー、具だくさん味噌汁
- 筋トレ目的の例:
- 朝食: 水
- 午前中(10時頃): プロテインドリンク
- 昼食(最初の食事): 鶏肉の親子丼、サラダ
- 間食(トレ前後): プロテインバー または バナナ
- 夕食: カツオのたたき、山芋、白米、味噌汁
結論:自分に合ったスタイルを見つけよう!
結局のところ、朝食を食べるべきかどうかは、個人の目標やライフスタイルによって異なります。
- 朝食を食べる習慣があり、それが1日の活動源になっている人は、無理にやめる必要はありません。
- 朝から食欲がなく、朝食を抜く方が体調が良い、または総カロリー管理がしやすいという人もいます。
自分の体と向き合い、体重、体調、そして筋トレの目標に応じて、ライフスタイルに合った方法を見つけることが大切です。
よくある質問(FAQ)
朝食を抜くこと自体が直接太る原因ではありません。太るかどうかは、主に「1日の総摂取カロリーと総消費カロリーのバランス」で決まります。ただ、朝食を抜いた反動で昼食や夕食でドカ食いしてしまい、結果的に総カロリーが増えて太る、というパターンはあり得ます。
朝食を抜くことよりも、「1日の総タンパク質量」が足りているかどうかが、筋肉量の維持・増加にとって最も重要です。朝食を抜いても、他の食事や間食で十分なタンパク質が摂れていれば、筋肉が減るリスクは最小限に抑えられます。ただし、効率を考えるなら、午前中にプロテインだけでも補給するのがベターです。
目的によります。 筋トレ目的で「タンパク質の補給と回数確保」が目的なら、プロテインだけでも非常に有効です。ダイエット目的で「朝食を軽く済ませたい」場合も良い選択肢です。ただし、プロテインだけではエネルギー(特に炭水化物)が不足しがちなので、午前中の活動量が多い人は、バナナやおにぎりなどを少し加えることも検討しましょう。
間欠的ファスティングは、朝食を抜く(または食事時間を遅らせる)ことで「食べない時間」を作り、総カロリーを管理しやすくする手法の一つです。これが体質やライフスタイルに合っている人にとっては有効な戦略です。ただし、体重減少そのものは「食べない時間」ではなくトータルの摂取カロリーが減ることが主な理由と考えられており、長期の健康影響や筋肉量への影響については、まだ研究が進行中の段階です。ご自身の体調や日中のパフォーマンスを見ながら判断することが大切です。※持病(糖尿病、低血圧など)がある方や、過去に摂食障害の経験がある方は、自己判断で極端な断食を行わず、必ず医師や専門職と相談した上で実践してください。
参考文献
[1] Smith KJ, Gall SL, McNaughton SA, Blizzard L, Dwyer T, Venn AJ. Skipping breakfast: longitudinal associations with cardiometabolic risk factors in the Childhood Determinants of Adult Health Study. The American Journal of Clinical Nutrition. 2010;92(6):1316–1325. https://doi.org/10.3945/ajcn.2010.30101
[2] Farshchi HR, Taylor MA, Macdonald IA. Deleterious effects of omitting breakfast on insulin sensitivity and fasting lipid profiles in healthy lean women. The American Journal of Clinical Nutrition. 2005;81(2):388–396. https://doi.org/10.1093/ajcn.81.2.388
[3] Rampersaud GC, Pereira MA, Girard BL, Adams J, Metzl JD. Breakfast habits, nutritional status, body weight, and academic performance in children and adolescents. Journal of the American Dietetic Association. 2005;105(5):743–760. https://doi.org/10.1016/j.jada.2005.02.007
[4] Leidy HJ, Ortinau LC, Douglas SM, Hoertel HA. Beneficial effects of a higher-protein breakfast on the appetitive, hormonal, and neural signals controlling energy intake regulation in overweight/obese, “breakfast-skipping,” late-adolescent girls. The American Journal of Clinical Nutrition. 2013;97(4):677–688. https://doi.org/10.3945/ajcn.112.053116
[5] Sievert K, Hussain SM, Page MJ, Wang Y, Hughes HJ, Malek M, et al. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. The BMJ. 2019;364:l42. https://doi.org/10.1136/bmj.l42
[6] Betts JA, Richardson JD, Chowdhury EA, Holman GD, Tsintzas K, Thompson D. The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults. The American Journal of Clinical Nutrition. 2014;100(2):539–547. https://doi.org/10.3945/ajcn.114.083402
[7] Adolphus K, Lawton CL, Champ CL, Dye L. The Effects of Breakfast and Breakfast Composition on Cognition in Children and Adolescents: A Systematic Review. Advances in Nutrition. 2016;7(3):590S–612S. https://doi.org/10.3945/an.115.010256
[8] Wehrens SMT, Christou S, Isherwood C, Middleton B, Gibbs MA, Archer SN, et al. Meal timing regulates the human circadian system. Current Biology. 2017;27(12):1768–1775.e3. https://doi.org/10.1016/j.cub.2017.04.059
[9] Schoenfeld BJ, Aragon AA, Krieger JW. The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis. Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2013;10(1):53. https://doi.org/10.1186/1550-2783-10-53
[10] Mamerow MM, Mettler JA, English KL, Casperson SL, Arentson-Lantz E, Sheffield-Moore M, et al. Dietary protein distribution positively influences 24-h muscle protein synthesis in healthy adults. The Journal of Nutrition. 2014;144(6):876–880. https://doi.org/10.3945/jn.113.185280

