PriGym | 【池袋】パーソナルジム
ビタミンB12 多い食品|一食分換算・含有量ランキング【保存版】
ビタミンB12は、正常な赤血球の生成(造血)や神経系の機能を維持するために不可欠な栄養素です。しかし、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
ビタミンB12が不足すると、疲労感やめまい、動悸などを引き起こす「巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏性貧血)」や、手足のしびれといった神経障害のリスクが高まります。
ビタミンB12は主に動物性食品に含まれます。この記事では、従来の「100gあたり」の含有量だけでなく、「一食あたりでどれだけ摂れるか」という実用的な観点から、ビタミンB12を効率良く摂取できる食品や、吸収を高める調理法、ベジタリアン/ビーガンの方の対策まで、科学的根拠に基づいて詳しく解説します。
1日にどれだけ必要?ビタミンB12の目安量と不足のリスク
まずは、自分がどれだけB12を必要としているかを知ることが重要です。
1日の摂取目安量(男女共通)
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、ビタミンB12の1日あたりの摂取目安量は、18歳以上の男女ともに 2.4µg(マイクログラム)と設定されています。
| 年齢 | 目安量 (µg/日) |
|---|---|
| 18~74歳 | 2.4 |
| 75歳以上 | 2.4 |
ターゲット別の注意点
妊娠中・授乳中の方
2025年版の食事摂取基準では、妊娠中・授乳中の方の目安量は、非妊娠時と同じ 2.4µg/日 とされています。これは、明確なエビデンスが不足しているため付加量が設定されていないものであり、胎児や乳児への移行を考慮すると、B12の摂取が重要であることに変わりはありません。
高齢者の方
高齢者は、加齢に伴う胃酸の分泌減少や、「内因子(B12の吸収に必要な物質)」の減少により、食事からのビタミンB12吸収率が低下することが知られています。不足のリスクが高まるため、意識的な摂取が推奨されます。
ビタミンB12が不足しやすい人
以下に該当する方は、ビタミンB12が不足するリスクが通常より高いとされています。
- ベジタリアン・ビーガン(菜食主義者): B12をほぼ含まない植物性食品中心の食生活のため(食事性欠乏)。
- 高齢者: 上述の通り、吸収率が低下するため。
- 胃を切除した方: B12の吸収に必要な「内因子」を分泌する胃がない、または減少しているため。
- 悪性貧血の方: 自己免疫性の胃炎などにより、「内因子」が欠乏する特異な疾患です。食事からB12を摂取しても吸収できないため、医療的な対応が必要です。
- 特定の薬剤を長期服用している方: 胃酸を抑える薬(PPIなど)や、糖尿病治療薬(メトホルミン)は、B12の吸収を妨げる可能性が報告されています。
【一食分換算】ビタミンB12が多い食品ランキング TOP10
「100gあたり」の値が大きくても、実際に食べる量が少なければ効率的とは言えません。ここでは、日本食品標準成分表(八訂・増補2023)に基づき、現実的な一食分の目安量で換算したランキングをご紹介します。
1日の目安量: 2.4µg = 100%
| 順位 | 食材 (調理状態) | 標準一食分(目安) | B12量(µg) | 1日目安に対する充足率 | 備考(缶詰・冷凍など) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | あさり (生) | 50g (むき身) | 22.4 | 933% | 水煮缶や冷凍むき身でも豊富。汁ごとが◎。 |
| 2 | 牛レバー (生) | 40g (レバニラ1人前) | 21.2 | 883% | 加熱調理が必須。少量で十分。 |
| 3 | しじみ (生) | 30g (味噌汁1杯分) | 20.4 | 850% | 味噌汁や佃煮で。冷凍品も便利。 |
| 4 | さんま (生) | 100g (1尾) | 16.0 | 667% | 蒲焼缶詰でもOK。DHA/EPAも豊富。 |
| 5 | かき (養殖・生) | 60g (カキフライ2個) | 13.8 | 575% | 生食、加熱どちらでも。 |
| 6 | 鶏レバー (生) | 30g (焼き鳥1本) | 13.2 | 550% | 焼き鳥や煮物で。鉄分や葉酸も。 |
| 7 | いわし (丸干し) | 40g (中2尾) | 10.3 | 429% | オイルサーディン缶もB12が豊富。 |
| 8 | 豚レバー (生) | 40g (レバニラ1人前) | 10.0 | 417% | 牛・鶏よりは少なめだが十分多い。 |
| 9 | さば (まさば・生) | 80g (切り身) | 8.8 | 367% | 水煮缶(1缶150g)なら約16.5µg。 |
| 10 | 焼きのり (あまのり) | 3g (全形1枚) | 1.7 | 71% | 活性型B12を含む。詳細は後述。 |
※ ランキングご利用上の注意事項
- レバー類の過剰摂取について(ビタミンA)
レバー類(特に牛・鶏)はビタミンB12が非常に豊富ですが、同時に脂溶性のビタミンA(レチノール)も極めて高濃度に含まれます。ビタミンAは体内に蓄積しやすいため、過剰摂取には注意が必要です。
特に妊娠中または妊娠の可能性がある方は、ビタミンAの過剰摂取(1日3,000µg RAE以上)を避ける必要があります。レバー類の摂取は「少量をときどき(週に1回程度、焼き鳥1本など)」に留めることを推奨します。 - 貝類の生食リスクについて
ランキングにある「かき(生)」などの二枚貝は、ノロウイルスなどの微生物による食中毒のリスクを伴います。生食する場合は「生食用」として衛生管理されたものを選び、体調が万全でない場合は避けてください。中心部まで十分な加熱(85℃~90℃で90秒以上)を行うことで、リスクを大幅に低減できます。 - 「一食分」と含有量の前提について
表中の「標準一食分」は、一般的な調理例に基づく編集上の目安です。実際の含有量は、可食部の重量や調理方法(生・加熱による損失、水煮缶の汁の有無など)によって変動します。
本記事の含有量データは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参照しています。
100gあたりの含有量一覧(参考)
比較のため、100gあたりの含有量も掲載します。調理法(生・焼き・干し)で値が変わる点にご注意ください。
| 食品群 | 食品名 | ビタミンB12含有量(100gあたり) |
|---|---|---|
| 貝類 | しじみ (生) | 68.0 µg |
| あさり (生) | 44.8 µg | |
| かき (養殖・生) | 23.0 µg | |
| レバー類 | 牛レバー (生) | 53.0 µg |
| 鶏レバー (生) | 44.0 µg | |
| 豚レバー (生) | 25.0 µg | |
| 魚類 | いわし (うるめ・丸干し) | 25.8 µg |
| さんま (皮つき・生) | 16.0 µg | |
| さば (まさば・生) | 11.0 µg | |
| まぐろ (くろ・赤身・生) | 1.5 µg | |
| 卵類 | うずら卵 (生) | 4.7 µg |
| 鶏卵 (全卵・生) | 1.1 µg | |
| 乳製品 | プロセスチーズ | 2.2 µg |
| 普通牛乳 | 0.1 µg | |
| 海藻類 | 焼きのり (あまのり) | 56.7 µg |
ビタミンB12の吸収効率を上げる食べ方・調理法
ビタミンB12は摂り方次第で吸収率が変わります。特に「水に溶けやすい」性質を理解することが重要です。
ポイント1:汁ごと食べる(水溶性対策)
ビタミンB12は水溶性ビタミンのため、茹でたり煮たりすると、煮汁に溶け出してしまいます。
溶け出したB12を無駄にしないためにも、あさりやしじみの味噌汁、貝のスープ、レバーの煮込みなど、汁ごと食べられる調理法が最も効率的です。
ポイント2:過度な加熱を避ける
ビタミンB12は比較的熱に安定していますが、長時間の高温加熱(例: 100℃で30分以上など)では損失が増えることが報告されています。
茹でるよりも「蒸す」調理や、短時間で仕上げる「炒める」調理の方が、B12の残存率が高い傾向にあります。
ポイント3:胃腸の健康と「内因子」
ビタミンB12の吸収には、胃酸と、胃の粘膜から分泌される「内因子」というタンパク質が必要です。暴飲暴食を避け、胃腸の健康を保つことが吸収の前提となります。高齢者や胃薬(PPIなど)を服用中の方が不足しやすいのは、この内因子の働きが弱まるためです。
ポイント4:葉酸や鉄分との連携
ビタミンB12は、特に「葉酸」と協力して赤血球の生成(造血)に関わっています。B12と葉酸は、どちらかが欠けても貧血の原因となります。
- レバー類: B12、葉酸、鉄分すべてが豊富
- 貝類: B12、鉄分が豊富
- 卵: B12、葉酸、鉄分を含む
これらの食材は、造血を助ける栄養素をバランス良く含んでいます。
ベジタリアン・ビーガン(菜食)のB12戦略
ビタミンB12は基本的に動物性食品にしか含まれないため、特にビーガン(完全菜食)の方は、意識的な対策が必須です。
誤解:植物性食品と「偽ビタミンB12」
伝統的な植物性食品(納豆、味噌などの発酵食品や一部の海藻)にもB12が含まれるという情報がありますが、その多くは「非活性アナログ(偽ビタミンB12)」と呼ばれ、ヒトの体内ではB12として機能しないか、むしろ吸収を阻害する可能性さえ指摘されています。
「焼きのり」は有望な選択肢か?
例外として、「焼きのり(あまのり)」には、ヒトが利用可能な活性型B12が含まれていることが、近年の研究(Huang QN et al., 2024)で示唆されています。
先の表の通り、全形1枚(約3g)で約1.7µgのB12が摂取できる計算になり、有望な供給源の一つと言えます。ただし、これだけで毎日安定して必要量を満たすのは大変なため、他の対策と組み合わせるのが現実的です。
確実な対策:強化食品とサプリメント
ビーガンの方がB12欠乏を避けるためには、以下の方法が最も確実です。
- 強化食品(フォーティファイド食品)
B12が添加されたシリアル、栄養酵母(ニュートリショナルイースト)、植物ベースのミルク(豆乳など)を利用する。購入時に栄養成分表示を確認しましょう。 - サプリメントの活用
最も確実な方法です。シアノコバラミンやメチルコバラミンといったB12サプリメントを定期的に摂取します。
コンビニ・外食で手軽にB12を補う方法
忙しい時でも、B12は補給できます。
- コンビニで選ぶなら
- さばの水煮缶、オイルサーディン缶
- あさりの味噌汁(インスタント、チルド)
- おにぎり(焼きのり)
- ゆで卵、温泉卵
- レバーパテ(パンと合わせて)
- 外食で選ぶなら
- レバニラ定食
- 焼き鳥(レバー)
- 海鮮丼、刺身定食(特に青魚)
- あさりのパスタ、ボンゴレビアンコ
- カキフライ定食
ビタミンB12に関するよくある質問(FAQ)
100gあたりでは「しじみ(生)」(68.0µg)、次いで「牛レバー(生)」(53.0µg)や「焼きのり」(56.7µg)がトップクラスです。ただし、一食分あたりの実用的な量では、「あさり(むき身50g)」(22.4µg)、「牛レバー(40g)」(21.2µg)、「しじみ(30g)」(20.4µg)が非常に効率的です。
成人の1日の摂取目安量は 2.4µg です。不足すると、赤血球がうまく作れなくなることによる「巨赤芽球性貧血(ビタミンB12欠乏性貧血)」(疲労感、めまい、動悸など)や、神経系の機能に支障をきたし、「手足のしびれ」や感覚異常などが現れることがあります。
「貝類」と「青魚」が非常に優秀です。「あさりの味噌汁」「しじみの佃煮」「さばの水煮缶」「さんまの蒲焼缶」「オイルサーディン」などは、調理の手間なく手軽にB12を大量に補給できます。
「焼きのり」に活性型B12が含まれるという研究もありますが、それだけに頼るのは不安定です。B12が添加された「強化シリアル」や「栄養酵母」、「植物性ミルク」を利用するか、最も確実な方法として「サプリメント」を定期的に摂取することを強く推奨します。
ビタミンB12は水溶性のため、茹でると煮汁に溶け出します。損失を最小限にするには、煮汁ごと飲めるスープや味噌汁にするのが最適です。焼く・蒸す・炒めるといった調理法は、茹でるよりも損失が少ない傾向にあります。
多くの海藻に含まれるB12は、ヒトが利用できない「偽B12(非活性アナログ)」である可能性が高いです。しかし、「焼きのり(あまのり)」に関しては、ヒトの体内で機能する活性型B12を含むことが近年の研究で示唆されており、ビーガンの方などの有望な供給源の一つとして注目されています。
まとめ
ビタミンB12を効率良く摂取するためのポイントをまとめます。
- B12は「レバー」「貝類」「青魚」に圧倒的に多い。
- 「100gあたり」ではなく「一食分」で考えると、あさり、しじみ、レバー類は少量で1日分を軽くクリアできる。
- 水に溶けやすいため、スープや味噌汁など「汁ごと」食べる調理法が最も効率的。
- ベジタリアン/ビーガンの方は、原則として植物性食品からB12は摂取できないため、「強化食品」や「サプリメント」での対策が必須。「焼きのり」は補助的な選択肢となり得る。
- 高齢者や特定の胃薬・糖尿病薬を服用中の方、また悪性貧血などの疾患を持つ方は、吸収率が下がるため意識的な摂取や医療的対応が必要。
これらの食品や調理法を参考に、日々の食事にビタミンB12を取り入れ、健康維持に役立ててください。
【参考文献】
[1] 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年. 2023年公表. https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html (食品成分データベースは増補2023対応)。
[2] 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 公表: 2024-10-11(最終更新: 2025-03-25). https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html (全文PDFあり)。
[3] Huang QN, Watanabe F, Koseki K, He RE, Lee HL, Chiu THT. Effect of roasted purple laver (nori) on vitamin B12 nutritional status of vegetarians: a dose-response trial. European Journal of Nutrition. 2024;63:3269–3279. https://doi.org/10.1007/s00394-024-03505-9
[4] Watanabe F, Takenaka S, Kittaka-Katsura H, Ebara S, Miyamoto E. Characterization and bioavailability of vitamin B12-compounds from edible algae. Journal of Nutritional Science and Vitaminology (Tokyo). 2002;48(5):325–331. https://doi.org/10.3177/jnsv.48.325
[5] National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. Vitamin B12 – Health Professional Fact Sheet. Updated 2025-07-02. https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminB12-HealthProfessional/
[6] 厚生労働省 eJIM(「海外情報」). ビタミンB12[医療者向け]. 最終更新 2025-06-19. https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c03/14.html (一般向けページもあり)

