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ビタミンB6を効率良く摂取!おすすめの食べ物・食材(科学的根拠つき)
ビタミンB6は、タンパク質の代謝や神経伝達物質の合成、ヘモグロビン合成など多数の代謝反応に関与する補酵素(主にPLP:ピリドキサールリン酸)として働く重要な栄養素です[1,6]。肌や髪の健康維持、貧血予防、免疫機能のサポートなど、日常のコンディションづくりにも関与します。この記事では“1食分でどれだけ摂れるか”に焦点を当て、実生活で使えるランキング、モデル献立、調理・保存のコツまで、一次資料に基づいてわかりやすく整理しました。
ビタミンB6の1日目安量は?/高タンパク食で必要量が増える理由
日本の食事摂取基準(2025年版)では、成人の推奨量(RDA)は以下の通りです[4]。
- 成人男性 18–64歳:1.5 mg/日(65歳以上:1.4 mg/日)
- 成人女性 18歳以上:1.2 mg/日
妊婦・授乳婦についても付加量が設定されています(詳細は各論「妊婦・授乳婦」を参照)[4]。
B6はアミノ酸代謝や神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン等)の合成過程で必須の補酵素であり、タンパク質摂取量が多いほど、関連代謝を円滑に回すためのB6ニーズも高まりやすいことが知られています[1,6]。なお、本記事の達成率やモデル献立の評価は2025年版RDAに基づいて再計算しています[4]。
吸収・体内動態の要点B6は主に小腸(空腸)で受動拡散により吸収され、活性型PLPとして多様な酵素反応を担います[1,6]。
ビタミンB6を多く含む食べ物ランキング【1食分あたり】
「100gあたり」ではなく、“1食分でどれだけ摂れるか”を重視した実用ランキングです。含有率が高くても1食では少量しか食べない食品(例:にんにく)を上位にしないよう配慮しています。数値は文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023』を基に換算しました[2]。達成率は成人男性(18–64歳)のRDA 1.5 mgを基準に算出(女性は1.2 mgで、下表の達成率×1.25が目安)。
| 順位 | 食品名(1食分の目安量) | B6含有量 (mg) | 1日の目安(男性1.5 mg)達成率 |
|---|---|---|---|
| 1位 | くろまぐろ(赤身・生) (80g) | 0.68 mg | 約 45% |
| 2位 | かつお(生) (80g) | 0.61 mg | 約 41% |
| 3位 | 鶏むね(皮なし・焼き) (100g) | 0.60 mg | 約 40% |
| 4位 | 豚ヒレ(赤身・生) (100g) | 0.54 mg | 約 34% |
| 5位 | さつまいも(蒸し) (中1本 200g) | 0.52 mg | 約 35% |
| 6位 | びんながまぐろ(生) (80g) | 0.51 mg | 約 34% |
| 7位 | さけ(しろさけ・焼き) (1切れ 80g) | 0.46–0.51 mg | 約 31–34% |
| 8位 | バナナ(生) (1本 100g) | 0.38 mg | 約 25% |
| 9位 | 鶏レバー(生) (50g) | 0.33 mg | 約 22% |
| 10位 | ピスタチオ(いり) (約20g) | 0.25 mg | 約 17% |
注:各「1食分」は一般的な目安量で、実際の切り身サイズや品種(例:かつお〈春/秋〉)、部位、調理・加工で変動します。数値は食品成分表の該当データを基に概算し、小数第2位で四捨五入しています(例:ピスタチオ約20 g → 0.24–0.25 mg)。[2]
1日の目安量(1.5 mg)を達成するモデル献立
以下は、無理なくRDAを満たせる1日例。合計 約1.76 mg(充足率:男性117%/女性147%)。
- 朝(約0.38 mg):バナナ(1本 100g)+ヨーグルト
- 昼(約0.77 mg):サラダチキン(鶏むね 100g ≒ 0.60 mg)+鮭おにぎり(鮭約30 g ≒ 0.17 mg ※しろさけ焼き0.57 mg/100 gから換算)
- 夜(約0.61 mg):かつおのたたき(80g)+ほうれん草のおひたし
※ おにぎり中の魚量は商品により差があります(ここでは目安)。
【コンビニ活用術】手軽にB6を補うなら?
- サラダチキン(鶏むね):高タンパクでB6も豊富。
- 鮭・マグロ系のおにぎり:魚介から効率よくB6を確保。
- バナナ:携帯しやすい定番のB6供給源。
- ピスタチオ/アーモンド:間食でちょい足し。
【100gあたり】ビタミンB6含有量(調理法の違いもチェック)
詳細比較や調理影響の確認に。出典はいずれも『食品成分表 八訂・増補2023』[2]。
肉類
| 食品名 (調理・部位) | ビタミンB6 (mg/100g) | 出典(食品番号) |
|---|---|---|
| 鶏レバー(生) | 0.65 | 文科省DB (11303) |
| 鶏むね(皮なし・焼き) | 0.60 | 文科省DB (11320) |
| 豚ヒレ(赤身・生) | 0.54 | 文科省DB (11140) |
魚介類
| 食品名 (調理・部位) | ビタミンB6 (mg/100g) | 出典(食品番号) |
|---|---|---|
| くろまぐろ(赤身・生) | 0.85 | 文科省DB (10257) |
| かつお(春獲り・生) | 0.76 | 文科省DB (10196) |
| びんながまぐろ(生) | 0.64 | 文科省DB (10252) |
| さけ(しろさけ・焼き) | 0.57 | 文科省DB (10134) |
| さんま(皮つき・生) | 0.54 | 文科省DB (10173) |
野菜・果物類
含有率トップは「にんにく」ですが、1食100gは非現実的。ほうれん草は「ゆで」で水に溶け出すためB6が減ります(後述)[2,3]。
| 食品名 (調理・部位) | ビタミンB6 (mg/100g) | 出典(食品番号) |
|---|---|---|
| にんにく(りん茎・生) | 1.53 | 文科省DB (06223) |
| バナナ(生) | 0.38 | 文科省DB (07107) |
| 赤ピーマン(生) | 0.37 | 文科省DB (06247) |
| アボカド(生) | 0.29 | 文科省DB (07006) |
| さつまいも(皮なし・蒸し) | 0.26 | 文科省DB (02006) |
| ほうれん草(生) | 0.14 | 文科省DB (06267) |
| ほうれん草(ゆで) | 0.08 | 文科省DB (06268) |
備考:しろさけ(焼き)のB6は文科省DBでは0.57 mg/100 g。80 g換算では約0.46 mgが基準値ですが、品種・部位・焼き加減・製品差で0.46–0.51 mg程度の幅が生じ得ます。達成率は男性RDA1.5 mg基準で約31–34%の範囲で解釈してください。
吸収と「よくある誤解」(食べ合わせ)
- 吸収機序:B6は主として小腸(空腸)で受動拡散により吸収されます[1,6]。
- マグネシウム同時摂取で“吸収率が上がる”?
通常の食事摂取量において、MgがB6の吸収率そのものを高めるとする十分な直接エビデンスは確認されていません[6,7]。ただし、B6食品(魚・鶏・いも類・バナナ等)とMg食品(アーモンド、カシューナッツ、ほうれん草、豆腐等)をバランスよく組み合わせることは、総合的な栄養管理として有益です。
<実用メニュー例>
- 豚ヒレ肉とほうれん草のソテー
- マグロとアボカドのサラダ
- バナナとアーモンドのヨーグルト
ビタミンB6を逃さない調理・保存のコツ
- 調理:B6は水溶性で、ゆでると煮汁に溶けやすい(ほうれん草の例)[2,3]。一方、光に不安定で、加熱自体には比較的安定だが長時間加熱は損失につながる可能性があります[3]。
⇒ 短時間加熱・蒸し調理・煮汁ごと食べられるスープが実用的。下茹でが必要な場合は茹で時間を短く、茹で汁も活用を。 - 保存:遮光・冷暗所での保管を基本に、なるべく早めに消費しましょう[3]。
サプリは必要?安全性と過剰摂取(耐容上限量)
通常の食習慣で不足はまれですが、食が細い・嗜好が偏る・アルコール多飲・特定の薬剤使用などでは配慮が必要になることも。サプリ使用時は過剰摂取に留意してください。
- 耐容上限量(UL):例として30–49歳では、男性 60 mg/日、女性 45 mg/日が設定されています[4,5]。
- 高用量長期摂取のリスク:サプリで高用量(例:≥100 mg/日)を長期に続けると、感覚性ニューロパチー(手足のしびれ等)が報告されています[1]。
- 基本は“食事ベース”で、必要時のみ用量・期間を区切って利用するのが安全です。
まとめ
- B6はタンパク質代謝の要。高タンパク食ほど必要性が高まりやすい[1,6]。
- “1食分”視点の上位食材:マグロ(赤身)、かつお、鶏むね、さつまいも、鮭、バナナ、レバー、ピスタチオ等[2]。
- 調理・保存の工夫でロスを抑制:短時間加熱・蒸し・スープ化、遮光保管[2,3]。
- サプリはULを意識(男60 mg/日、女45 mg/日等)し、過剰に注意[4,5]。
日々の献立に魚+鶏+いも/果物+ナッツをバランスよく組み合わせ、無理なくRDA達成を目指しましょう。
参考文献
[1] National Institutes of Health, Office of Dietary Supplements. Vitamin B6: Health Professional Fact Sheet. 2023. https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminB6-HealthProfessional/
[2] 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023. 食品成分データベース. 2023. https://fooddb.mext.go.jp/
[3] 独立行政法人 国立健康・栄養研究所(NIBIOHN). ビタミンB6. 「健康食品」の安全性・有効性情報. 2020-11-05. https://hfnet.nibn.go.jp/vitamin/detail149/
[4] 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(全文)および分割版「ビタミン(水溶性ビタミン)」。2024–2025. https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44138.html
[5] 公益財団法人長寿科学振興財団. ビタミンB6/B12の働きと1日の摂取量. 健康長寿ネット. 2025-02-21. https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b6.html
[6] Stach K, Kubik A, Nowak J, et al. Vitamin B6 in Health and Disease. Nutrients. 2021;13(9):3229. https://doi.org/10.3390/nu13093229
[7] Eisinger J, Dagorn J. Vitamin B6 and magnesium. Magnesium. 1986;5(1):27–32. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3959594/

