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キシロオリゴ糖は便秘に効く?効果・安全性・飲み方をやさしく解説
要点
- 腸にいい働き:少量(1.4〜3 g/日)からビフィズス菌が増えやすいことが、人を対象にしたランダム化比較試験で確かめられています[2–4]。
- 便通:機能性便秘の成人で、3–10 g/日を4週間のキシロオリゴ糖摂取により排便回数や便の形(ブリストル便形状スケール)、便秘重症度(Cleveland Clinic Constipation Score)、QOL(PAC-QoL)が良くなった試験があります[5]。
- 血糖:キシロオリゴ糖は小腸で消化されにくいため、食後血糖は上がりにくいと考えられます。小規模ながら、2型糖尿病の方で4 g/日を8週間摂取した研究で指標の改善も報告されています[1,6]。
- 安全性:欧州食品安全機関(EFSA)と米国食品医薬品局(FDA)が食品としての安全性を確認。人での試験でも1.4〜8 g/日の範囲で副作用は軽微とされています[1–4,7]。
- 日本の制度:特定保健用食品(規格基準型)にキシロオリゴ糖が収載。機能性表示食品でも使われています[8–9]。
キシロオリゴ糖ってどんな成分?
- 何者? 木の繊維成分「キシラン」から作られる、キシロースが主にβ-1,4結合で連なったオリゴ糖です。市販品はキシロビオースやキシロトリオースなどの混合体です[8,11]。
- どこで働く? 小腸ではほとんど消化されず、大腸で腸内細菌のエサになります(=プレバイオティクス)[1]。
- ほかの有名オリゴ糖との違い
- フラクトオリゴ糖:フルクトースがβ-2,1結合で連なるタイプ。性質は近いが構造が異なります[12]
- ガラクトオリゴ糖:乳糖由来でβ-1,4/β-1,6結合が主体。相性は個人差があります[13]
- イソマルトオリゴ糖:α結合を含み一部が消化されるタイプ。食後血糖が上がる場合があります[14]
→ “血糖を気にするならキシロオリゴ糖、甘味の置き換えならイソマルトオリゴ糖の性質に注意”がポイント。
腸内フローラ・短鎖脂肪酸への働き
- ビフィズス菌が増えやすい:健常成人で1.4または2.8 g/日を8週間、別研究では8 g/日を3週間の摂取で、ビフィズス菌の増加が確認されています[2–4]。
- 短鎖脂肪酸(酢酸・プロピオン酸・酪酸):便中濃度ははっきり増えないという結果もありますが、短鎖脂肪酸は腸で吸収されやすく、便だけでは変化をとらえにくい面があります[2–4]。
→ 少量から腸内環境に良い変化が期待できます。
便秘への効果:どれくらいで、どのくらい効く?
- 機能性便秘の成人で:3、5、または10 g/日を4週間のキシロオリゴ糖摂取で、排便回数、便の形(ブリストル便形状スケール)、便秘重症度(Cleveland Clinic Constipation Score)、QOL(PAC-QoL)がプラセボより改善しました[5]。
- 健常者でも:8 g/日を3週間で、自覚的な排便習慣の改善が報告されています[3]。
期待の持ち方:2〜4週間ためして様子を見る→変化が乏しければ6〜8 g/日へ。体調と相談しながら少しずつ。
血糖・インスリン:上がりやすい?上がりにくい?
- キシロオリゴ糖は消化されにくいため、砂糖のように急に血糖を上げにくいと考えられます(公的評価あり)[1]。
- 臨床研究:2型糖尿病の方で4 g/日を8週間の摂取により、HbA1cなどが改善した小規模研究があります(確証には追加研究が必要)[6]。
注意:イソマルトオリゴ糖は一部が消化・吸収され、食後血糖が上がる場合があります。キシロオリゴ糖とは性質が異なります[14]。
安全性と副作用(お腹が張る?下痢は?)
- 公的評価:欧州食品安全機関は食品として「安全」、米国食品医薬品局もGRAS(一般に安全)として「質問なし(No Questions)」で受理。基本的な安全性は確立しています[1,7]。
- 人での様子:研究では1.4〜8 g/日の範囲で大きなトラブルは少なめ。ガス・お腹の張りは出ることがありますが、軽めで経過することが多いと報告されています[2–4]。
- 取り入れ方のコツ
- 少量から(1.4〜3 g/日)
- 複数回に分ける(一度に多量を避ける)
- 水分を十分に
- つらければ減量・中止
使い方の目安(2〜4週間のトライアル)
- スタート:1.4〜3 g/日を2週間。
- チェック:排便回数・便の形(ブリストル便形状スケール)・お腹の張りをメモ。
- 調整:変化が乏しければ6〜8 g/日へさらに2週間。
- 合わないとき:症状が強いなら量を戻すかいったん中止。過敏性腸症候群の人は特に少量スタートがおすすめです(低FODMAP食=発酵性の糖質を減らす食事法も参考)[10]。
- えらび方:ラベルの「キシロオリゴ糖として○g」、原料(コーンコブ等)・純度をチェック。特定保健用食品/機能性表示食品のルールに沿った製品かも目安になります[8–9]。
よくある質問
研究では2〜4週間で変化が出たケースが多いです。まずはこのくらいを目安に[3,5]。
非消化性オリゴ糖あるあるです。量を下げる・分ける・水分をとるで様子を見てください。つらければ中止を[1–4]。
キシロオリゴ糖は上がりにくいタイプです。とはいえ体質や食べ合わせで個人差があるので、血糖管理中の方は主治医に相談を[1,6]。
相性は人それぞれ。キシロオリゴ糖は少量からビフィズス菌が増えやすい傾向がありますが、フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖にも実績があります。まずは単独で2〜4週間試して、合うものを続けるのがおすすめです[2–5,12–13]。
参考文献
[1] EFSA NDA Panel. Safety of xylo-oligosaccharides (XOS) as a novel food. EFSA Journal. 2018;16(7):5361. https://doi.org/10.2903/j.efsa.2018.5361
[2] Finegold SM, Li Z, Summanen PH, Downes J, Thames G, Corbett K, et al. Xylooligosaccharide increases bifidobacteria but not lactobacilli in human gut microbiota. Food & Function. 2014;5(3):436–445. https://doi.org/10.1039/c3fo60348b
[3] Childs CE, Röytiö H, Alhoniemi E, Fekete AA, Forssten SD, Hudjec N, et al. British Journal of Nutrition. 2014;111(11):1945–1956. https://doi.org/10.1017/S0007114513004261
[4] Yang J, Summanen PH, Henning SM, Hsu M, Lam H, Huang J, et al. Frontiers in Physiology. 2015;6:216. https://doi.org/10.3389/fphys.2015.00216
[5] Yi W, Wang H, Yang F, Jin J, Xu J, Wu J, et al. Food Science & Nutrition. 2024;12(2):1119–1132. https://doi.org/10.1002/fsn3.3827
[6] Sheu WHH, Lee IT, Chen W, Chan YC. Journal of Nutritional Science and Vitaminology (Tokyo). 2008;54(4):396–401. https://doi.org/10.3177/jnsv.54.396
[7] U.S. FDA. GRAS Notice No. 816: Xylo-oligosaccharides (Agency Response: No Questions). Food and Drug Administration. 2019. https://www.fda.gov/media/129545/download
[8] 消費者庁. 特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準(別添3). 2022-08-31. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses/notice/assets/food_labeling_cms201_220831_04.pdf
[9] 消費者庁. 機能性表示食品の届出等に関する手引き(令和7年10月1日一部改正). 2025-10-01. https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/notice/assets/food_labeling_cms205_251001_41.pdf
[10] Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, Chey WD, Keefer LA, Long MD, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. American Journal of Gastroenterology. 2021;116(1):17–44. https://doi.org/10.14309/ajg.0000000000001036
[11] Chen Y, Xie Y, Ajuwon KM, Zhong R, Li T, Chen L, et al. Xylo-Oligosaccharides, Preparation and Application to Human and Animal Health: A Review. Frontiers in Nutrition. 2021;8:731930. https://doi.org/10.3389/fnut.2021.731930
[12] Dias GS, Vieira AC, Baioni e Silva G, Simões NF, Milessi TS, Saraiva LS, et al. Fructooligosaccharides: A Comprehensive Review on Their Microbial Source, Functional Benefits, Production Technology, and Market Prospects. Processes. 2025;13(4):1252. https://doi.org/10.3390/pr13041252
[13] Kittibunchakul S, van Leeuwen SS, Dijkhuizen L, Haltrich D, Nguyen T-H. Structural Comparison of Different Galacto-oligosaccharide Mixtures Formed by β-Galactosidases from Lactic Acid Bacteria and Bifidobacteria. Journal of Agricultural and Food Chemistry. 2020;68(15):4437–4446. https://doi.org/10.1021/acs.jafc.9b08156
[14] Song Y-B, Lee J-H, Kang J, Kim SH. New insights suggest isomaltooligosaccharides are slowly digestible carbohydrates rather than dietary fibers at constitutive mammalian α-glucosidase levels. Food Chemistry. 2022;371:131166. https://doi.org/10.1016/j.foodchem.2021.131166
ご注意:本記事は一般的な情報提供です。既往症・服薬中・妊娠/授乳中の方は、使用前に医療専門職へご相談ください。

