シェアする:

卵は、朝食の定番であり、様々な料理に欠かせない食材として、私たちの食卓に馴染み深い食品です。栄養価が高いことは広く知られていますが、ダイエット、美肌、筋肉増強など、その真価については意外と知られていないかもしれません。

実は、卵は完全栄養食と呼ばれるほど、様々な効果をもたらす万能食材なのです。この記事では、卵の栄養価、そして健康効果について、最新の科学的知見に基づいて解説していきます。卵の秘められたパワーを知り、健康的なライフスタイルに役立てていきましょう。

卵の栄養価

卵は、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、様々な栄養素を豊富に含むことから「完全栄養食」といわれています。

タンパク質

特に注目すべきは、タンパク質の質の高さです。卵のタンパク質は、体内で合成できない必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、その消化吸収率も非常に高いことが特徴です [1]。これは、牛乳や牛肉などの他の動物性タンパク質と比較しても、非常に優れた値です。

ビタミン

卵には、様々なビタミンが含まれています。

  • ビタミンA:視力維持
  • ビタミンB群:エネルギー代謝
  • ビタミンD:骨の健康
  • ビタミンE:抗酸化作用
  • ビタミンK:血液凝固

これらのビタミンは、健康維持に欠かせない役割を担っています。

ミネラル

卵には、ミネラルも豊富に含まれています。

  • カルシウム:骨や歯の形成
  • 鉄:貧血予防
  • 亜鉛:免疫力向上
  • セレン:抗酸化作用

これらのミネラルは、様々な健康効果に貢献しています。

卵とコレステロール

コレステロール値の上昇は大丈夫?

かつては、卵に含まれるコレステロールが、血中コレステロール値を上昇させ、動脈硬化や心臓病のリスクを高めるのではないかと懸念されていました。1個の卵には約200mgのコレステロールが含まれており、他の食品と比較すると多い値であることは事実です。

しかし、ご安心ください!

近年の研究では、食事から摂取するコレステロールが血中コレステロール値に与える影響は、以前考えられていたよりも小さいことが明らかになっています。 [2] これは、体内でコレステロールが合成される際、食事からのコレステロール摂取量が多い場合は、体内で合成されるコレステロールの量が調整されるというメカニズムがあるためです。

厚生労働省もコレステロール摂取量の上限を撤廃!

2015年には、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準」を改定し、コレステロールの摂取量の上限を撤廃しました [4]。これは、食事からのコレステロール摂取と血中コレステロール値の間に明確な関連性が見られないという多くの研究結果に基づいたものです。

1日何個まで食べていいの?

健康な人であれば、1日に1~2個の卵を摂取しても、コレステロール値に悪影響を与えることはないとされています。

ただし、注意が必要なケースも!

脂質異常症などの疾患がある場合は、医師に相談することをおすすめします。

卵がもたらす健康効果

卵は、様々な健康効果をもたらすことが期待されています。ここでは、特に注目されている3つの効果に加え、その他の健康効果についても、具体的なメカニズムや研究結果を交えながら詳しく解説します。

効率的に痩せる!卵のダイエット効果

  • 満腹感アップ!: 卵に含まれるタンパク質は、消化吸収に時間がかかるため、満腹感を持続させる効果があります。[3] つまり、食事の量を自然と減らすことができ、ダイエットに繋がります。
  • 脂肪燃焼を助ける!: 卵に含まれるレシチンは、脂質の代謝を促進し、脂肪燃焼をサポートします。
  • 低カロリーで高栄養!: 卵は低カロリーでありながら栄養価が高いため、ダイエット中の栄養不足を防ぐことができます。

具体的な研究結果

ある研究では、朝食に卵を食べたグループは、ベーグルを食べたグループに比べて、体重や体脂肪の減少量が有意に多かったという結果が出ています [3]。

理想の体へ!卵の筋肉増強効果

  • 筋肉の材料を供給!: 卵のタンパク質は、筋肉の構成成分であるアミノ酸を豊富に含んでいます。
  • 質の高いタンパク質!: 卵のタンパク質はアミノ酸スコアが100と非常に高く、体内で効率よく利用できます。牛乳(91)や牛肉(80)と比べても、優れたタンパク質といえます。
  • 筋肉の成長をサポート!: 卵に含まれるビタミンB群は、タンパク質の代謝を助け、筋肉の成長をサポートします。

美肌・美髪も!卵の美容効果

  • 肌の健康を維持!: 卵に含まれるビタミンB群は、皮膚や髪の健康維持に役立ちます。
  • 美肌作りをサポート!: ビオチンは皮膚炎の予防、シスチンはコラーゲンの生成を促進し、肌の弾力やハリを保ちます。

その他の健康効果

  • 眼病予防効果: 卵黄に含まれるルテインやゼアキサンチンは、眼の黄斑部に存在する色素で、加齢黄斑変性症などの眼病予防に効果が期待されています。
  • 脳機能改善効果: 卵黄に含まれるコリンは、神経伝達物質アセチルコリンの合成に関与しており、記憶力や学習能力の向上に役立つと考えられています。
  • 貧血予防効果: 卵には、鉄分も含まれています。鉄分は、赤血球のヘモグロビンの合成に必要不可欠な栄養素であり、貧血予防に役立ちます。

毎日飽きずに!ダイエット中でも嬉しい卵料理アイデア

卵は、調理方法を変えるだけで様々な顔を見せてくれる、まさに万能食材。ダイエット中でも、飽きずに美味しく食べられる卵料理のバリエーションをご紹介します。

低カロリーで高タンパク質!ダイエットの強い味方

  • ゆで卵: シンプル is ベスト!茹で加減を調整すれば、とろーり半熟卵から、しっかり固ゆで卵まで、お好みで楽しめます。サラダやスープに加えても◎。
  • オープンオムレツ: フライパンに卵を流し込み、好みの野菜やきのこをトッピング!チーズを少量かけるのもおすすめです。
  • 豆腐と卵の炒め物: 木綿豆腐と卵を炒めるだけ!ボリューム満点なのに低カロリーで、ダイエット中の強い味方です。

さらにヘルシーに!ちょっとした工夫

  • 油を控える: 目玉焼きやオムレツを作る際は、油を控えめにしましょう。テフロン加工のフライパンなら、油なしでもOK!
  • 野菜をたっぷり加える: オムレツや炒め物に、野菜をたっぷり加えましょう。かさ増し効果で満腹感もアップ!食物繊維も豊富に摂れます。
  • きのこをプラス: きのこは低カロリーで食物繊維豊富!卵料理に加えれば、栄養価もアップします。
  • 味付けはシンプルに: 塩コショウやハーブ、スパイスなど、シンプルな味付けを心がけましょう。

卵かけご飯をもっとヘルシーに

  • ご飯の量を調整する: ご飯は少なめにして、卵や他の食材でボリュームアップ!
  • 白米ではなく玄米や雑穀米を: 白米よりも食物繊維やミネラルが豊富な、玄米や雑穀米を選びましょう。
  • 卵かけご飯専用醤油を使う: 卵かけご飯専用醤油は、塩分控えめで風味豊か!
  • トッピングで栄養価アップ!: きざみ海苔やネギ、納豆、キムチなどをトッピングして、栄養価をさらにアップグレード!

卵を賢く使って、ダイエットを成功させましょう!

まとめ

この記事では、卵の栄養価、そして健康効果について、科学的根拠に基づいて解説しました。

卵は、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、様々な栄養素を豊富に含む完全栄養食です。ダイエット、筋肉増強、美容、そして様々な病気の予防など、卵は私たちに多くの恩恵をもたらしてくれます。

ぜひ、今日から卵を食事に取り入れて、健康的なライフスタイルを実感してみませんか?

参考文献

  1. Anderson GH, Baker DH, Klasing KC. Egg protein amino acid composition and digestibility, and performance of broiler chickens. Poult Sci. 1997;76(3):448-56. DOI: 10.1093/ps/76.3.448
  2. Blesso CN, Fernandez ML. Egg intake and cardiovascular health. Nutrients. 2013;5(9):3699-713. DOI: 10.3390/nu5093699
  3. Vander Wal JS, Marth JM, Khosla P, Jen KL, Dhurandhar NV. Egg breakfast enhances weight loss. Int J Obes (Lond). 2008;32(10):1545-51. DOI: 10.1038/ijo.2008.130
  4. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準 (2015 年版).
シェアする: